借金を滞納していたら裁判所から通知が来た! 対処法を弁護士が解説
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複数の借入先から借金をしている人の中には、返済金が膨れ上がり返せなくなり滞納状態に陥っている方もいるでしょう。京都市内にお住まいの場合、裁判手続きに関連する書面は、京都地方裁判所から届くケースが多いでしょう。
裁判所から通知が来たとき、もっともしてはならない対応は無視をすることです。あなたが書面を見なかったことにしたり、出席しなかったとしても裁判は進んでしまいます。では、実際のところどのような流れで裁判に発展するのでしょうか。本コラムでは、借金を滞納してしまった際の対処法や注意点、滞納から督促そして裁判までの流れを、京都オフィスの弁護士が解説していきます。
1、借金を滞納してしまってから裁判に発展するまでの流れ
複数の借入先から借り入れをした結果、毎月の返済額が膨らみ滞納状態に陥ってしまうと、最終的には債権者から裁判を起こされてしまいます。しかし、裁判に発展するまでには順序があり、いきなり裁判となるわけではありません。一般的には、段階を経て裁判になります。
ここでは、債権者から裁判を起こされるまでの流れを順番に解説します。基本的には、無視をせずに都度誠実に対応することによって、裁判を起こされてしまう事態は回避できるでしょう。
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(1)債権者からの電話による督促
返済日までに返済額を支払えないと、貸金業者は債務者に対して電話による督促をしてきます。中にはうっかり入金を忘れてしまったという人もいるため、1回遅れただけでは貸金業者から怒鳴られたり乱暴なことを言われたりすることはありません。
入金が遅れていることを淡々と伝えられ、何日に返済ができるのかを尋ねられます。その電話でしっかりと謝り、決められた指定期日に入金ができれば、その後の問題は特になく解決します。 -
(2)郵便により督促状が届く
貸金業者からの電話連絡を無視したり不通になったりすると、督促状が自宅に送られてきます。貸金業者によっては電話連絡と同時に、または電話連絡より前に督促状を送付する場合があるため、順番は前後する可能性もあります。
手紙の内容は電話での督促と同様で、入金が遅れている事実と入金期日や入金方法などが記載されています。
一般的には債務者のプライバシーを保護するために、貸金業者の名称を伏せたり別の名称を記載したりして郵送してくることが多いでしょう。ここでも、しっかりと督促状に記載されている支払期日を守り入金を行うことで裁判には発展しません。 -
(3)内容証明郵便で借金の残債を一括請求される
貸金業者からの電話や郵送による督促を無視し続けると、滞納が3か月程度続いた頃に、配達記録証明が付いた内容証明郵便が自宅に届きます。
内容証明郵便とは、郵便局の職員から対面手渡しで直接受け取る特殊な郵便です。受け取った事実がすぐに分かります。内容証明郵便には、これまでの入金日や入金方法の指定とは異なり、借金全額を一括で返済することを求める内容が記載されているケースが一般的です。
この事態に陥る前に、弁護士に相談することを強くおすすめします。弁護士に対応を依頼すると、債権者から連絡を受ける窓口は弁護士に代わるため、あなたへ直接連絡が来ることはありません。連絡が止まっている間に、債務整理を行うことで、滞納した借金に苦しむ毎日から解放できるでしょう。 -
(4)代位弁済
「代位弁済」とは、債務者の保証人が債務者に代わって借金を支払うことです。たとえばカードローンなどによる借金の場合は、消費者金融が保証人を引き受けているケースが多くあります。
この場合、保証人である消費者金融が債権者に支払いを済まし、その後は消費者金融から返済を求められることになります。
代位弁済が行われると債権者から債権譲渡通知書が送付されます。債権譲渡通知者には、債権を譲渡した旨が記載されており今後の返済先などが記されています。 -
(5)裁判
代位弁済が行われた後は、保証人である消費者金融などから督促が届くことになります。この督促を無視していると、いよいよ裁判を起こされてしまいます。
裁判を起こされると、債権者からではなく、裁判所からの呼び出しがなされます。裁判所からの郵便は、特別送達という特殊な方法で送られてきます。郵便ポストではなく、内容証明郵便と同じく対面で郵便局の職員から渡される特殊な郵便のため、書類を受け取った事実は裁判所に伝わることになります。
裁判所からの呼び出しを無視すると、相手方の申し立てがすべて認められる判決が出たり、財産の差し押さえがされてしまったりするでしょう。無視せず、弁護士に相談したうえで対応することをおすすめします。
2、よく聞く債務整理って一体何?
テレビやコマーシャルなどで、「債務整理」という言葉を耳にしたことがあるかもしれません。債務整理とは、借金をして返済に困っている人に、借金の減額や、支払期日の猶予を持たせることで、借金返済の負担軽減や借金自体をなくすことができる手続きのことです。
債務整理には全部で4通りの手続き方法があります。過払い金請求、任意整理、民事再生、自己破産です。それぞれの手続きによって得られる効果が違うため、次項でくわしく解説します。
3、債務整理の方法3種
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(1)任意整理(過払い金請求)とは
任意整理とは、貸金業者に対して借金額の減額交渉を行ったり、金利を新条件で引き直してもらったりすることで、毎月の返済額を減らし、可能な範囲で返済をしていけるようにする手続き方法です。
過払い金請求も任意整理の一種で、貸金業者に払い過ぎていた利息を取り戻す行為を指します。支払い過ぎた利息を返還してもらうため、過払い金を取り戻すことで現在の借金を減額することや、完済することができるのです。返済期間や借り入れをした時期によっては過払い金が発生している可能性があり、個別での確認が必要です。
任意整理(過払い金請求)をするメリットは、整理する貸金業者を選択できることです。また、利息が免除されるので借金の完済までの期間が早まります。
デメリットは、信用情報機関に情報登録されてしまうので、任意整理からおよそ5年間は金融機関から新たに借り入れすることができなくなることです。ただし、すでに完済済みの状態で過払い金請求を行った場合にはデメリットはありません。 -
(2)個人再生とは
個人再生とは、所有している不動産などの財産をそのまま維持しつつ、減額された借金を3年間で分割しながら完済を目指す手続きです。
個人再生をするメリットは、債務が大幅に減額され、完済しやすくなることです。また、自己破産と違い、マイホームなど一部の資産を残したまま手続きすることができるので、今までの生活を維持したまま借金の返済が可能になります。
一方のデメリットは、裁判所を介して行う手続きであるため、住所や氏名などの個人を特定できる情報が官報に掲載されてしまう点が代表的です。そして債務整理同様、一定期間、新たな借り入れやクレジットカードの作成ができなくなることも、デメリットとして挙げられるでしょう。なお、支払いを継続できる収入がない場合、個人再生はできません。 -
(3)自己破産とは
自己破産とは、借金の返済が収入や財産の面から見込めない場合に、支払い不能という事実を裁判所が認めることで、借金の支払い義務が免除される手続きのことです。
自己破産をするメリットは、一部を除きすべての借金について、支払い義務が免除されることです。さらに、手続きが開始されると債権者は財産の差し押さえなどの強制執行ができなくなります。
デメリットは、個人再生と同様です。金融機関からの借り入れが一定期間できなくなることや、官報に氏名や住所などが掲載されてしまうことなどが挙げられます。
4、まとめ
借金の返済ができなくなると、寝ても起きても借金の返済のことで頭がいっぱいになり、日常生活に支障が出てしまう方もいるでしょう。結果的に、仕事や私生活にも悪影響を及ぼすことになります。
膨らんだ借金はひとりで解決するのが難しく、なかなか人には相談しにくい問題です。借金問題でお困りの方は弁護士へ相談することをおすすめします。弁護士に相談すると、適切な債務整理の種類や対処法などのアドバイスを受けられます。
借金に悩み今後の返済に不安がある方は、ベリーベスト法律事務所 京都オフィスでご相談ください。京都オフィスの弁護士があなたのお悩みをじっくりと聞き、適切な借金問題解決方法を提案します。
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