銀行カードローンは債務整理(任意整理)できる? 任意整理のメリット・注意点
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帝国データバンクの調査によると、2020年中に京都府内において休廃業・解散した企業は835件で、前年比3.9%の減少となりました。
銀行カードローンによって多重債務状態に陥ってしまった場合、返済が困難な場合には、債務整理(任意整理)を検討しましょう。
任意整理にはさまざまなメリットがある反面、デメリットや注意点も存在するため、弁護士に相談して事前に十分な法的検討を行うことが大切です。
この記事では、銀行カードローンを債務整理(任意整理)することのメリットや注意点を中心に、ベリーベスト法律事務所 京都オフィスの弁護士が解説します。
(出典:「特別企画:近畿地区「休廃業・解散」動向調査」(帝国データバンク))
1、銀行カードローンの多重債務リスク
銀行のカードローンについては、いわゆる「総量規制」の適用対象外とされていることから、利用の仕方によっては多重債務状態に陥ってしまうリスクが高いといえます。
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(1)総量規制の対象外|借入額が膨らんでしまう可能性も
「総量規制」とは、消費者金融などの貸金業者に課された、1人の利用者に対する融資総額の制限を意味します。
貸金業者は、利用者がキャパシティーを超えた借り入れをしてしまうことを防ぐために、基本的に利用者の年収の3分の1を超える金額の融資を行うことが禁止されているのです(貸金業法第13条の2第1項、第2項)。
しかし、銀行は「貸金業者」ではない(あくまでも「銀行」としての免許により貸し付けなどを行っている)ため、銀行からの融資には総量規制が適用されません。
実際には、銀行側が自主的にカードローンの限度額を設定しているケースも多いですが、限度額が設定されていない場合には、借入額が無制限に膨らんでしまうおそれがあります。 -
(2)「自転車操業」による多重債務化のリスク
カードローンの借入額が膨らみ、返済が困難になると、別の金融機関から借金をしてカードローンの返済に充てる、いわゆる「自転車操業」の状態に陥ってしまうケースがあります。
この場合、カードローンの返済について急場をしのぐことができたとしても、今度は新たに借り入れた借金の返済に回す資金がなくなり、さらに借金を繰り返す可能性が極めて高いです。
このように、自転車操業の負のスパイラルによって多重債務状態に陥ると、もはや借金を完済することは事実上不可能といえるでしょう。
2、銀行カードローンを債務整理(任意整理)する効果・メリット
銀行カードローンの返済が困難になってしまった場合、弁護士に相談して「任意整理」を行うことが有効な解決方法のひとつになります。
任意整理を行うと、カードローンの返済に関して以下の効果・メリットを享受できます。
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(1)取り立ての停止
弁護士に任意整理を依頼した段階で、対象となる債権者に対しては受任通知が発送されます。
受任通知には、今後の債務に関する連絡は弁護士が一括して担当する旨が記載されます。
そのため、債権者は受任通知を受領して以降、債務者に対する取り立てをやめ、弁護士との間で任意整理に関する交渉を開始することになります。
したがって、過酷な取り立てに悩まされている場合には、弁護士に任意整理を依頼することで、精神的な平穏が得られるでしょう。 -
(2)利息・遅延損害金のカット
任意整理の交渉がまとまると、多くの場合、利息や遅延損害金の支払いが免除されます。
債務不履行が発生している場合、利息や遅延損害金の未払い分が大きな金額になっているケースが多く、任意整理による債務の減額効果はかなり大きいといえるでしょう。 -
(3)返済スケジュールの延長
任意整理のもっとも大きな効果は、返済スケジュールが延長されることにより月々の支払額が減る点にあります。
たとえば今後2年で元本を完済する約定であったものを、4年で返済するという条件に変更してもらえば、単純に月々の支払いが半分になります。
月々の支払額が軽減されれば、「借金返済のために借金をする」という自転車操業を続ける必要がなくなり、財務状態や生活の再建につながるでしょう。 -
(4)債務不履行状態の解消|強制執行の危険がなくなる
銀行カードローンが債務不履行状態に陥っている場合、遅延損害金が発生し続けるだけでなく、いつ銀行側から裁判を起こされてもおかしくない状態です。
裁判で敗訴判決が確定すると、銀行は確定判決の正本を債務名義として強制執行の手続きをとり、債務者の財産は差し押さえられてしまいます。
突然財産を差し押さえられてしまった場合、生活に大きな支障が出ることは避けられません。
銀行との間で任意整理の交渉がまとまれば、銀行カードローンについての債務不履行状態は解消しますので、いきなり強制執行をかけられてしまうおそれがなくなります。
3、銀行カードローンを債務整理(任意整理)する際の注意点
銀行カードローンを任意整理することには、多くのメリットがある一方で、注意点もあります。実際に任意整理に取り組む際には、以下の各点について問題がないか十分に検討を行いましょう。
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(1)新規ローンの借り入れ・クレジットカードの利用ができなくなる
銀行カードローンを任意整理した場合、信用情報機関のデータベースに事故情報が登録されてしまいます。
これを俗に「ブラックリスト入り」といい、こちらに掲載された方は、新規にローンを借り入れたり、クレジットカードの利用が停止されたりするデメリットを受けることになります。
任意整理の場合、ブラックリストへの掲載期間は5年間です。したがって、任意整理後5年間は、借金などに頼らず、自力で生活を成り立たせていく覚悟が必要となるでしょう。 -
(2)元本はカットされにくい|他の債務整理手続きの方が効果大
任意整理の場合、利息・遅延損害金のカットや返済スケジュールの延長により一定の債務負担の軽減効果が得られます。
しかし、(過払い金があるケースを除いて)元本がカットされることは一般的でなく、他の債務整理手続きよりも債務負担の軽減効果は小さいという難点があります。
これに対して、自己破産であれば非免責債権を除いて、基本的に債務は「全額」が免責される可能性がありますし、個人再生であれば債務総額に応じて「元本」が大きくカットされます。
したがって、債務の金額が非常に大きい場合や、債権者の数が多数である場合などには、任意整理ではなく自己破産や個人再生を選択した方がよいケースも多いです。
ただし、自己破産や個人再生にもそれぞれデメリットがあるため、どの債務整理手続きも一長一短な側面があるといえるでしょう。
そのため、債務者の状況にあった適切な債務整理手続きを選択することが大切です。 -
(3)任意整理には債権者の同意が必要|同意が得られない場合は自己破産も
任意整理は、債権者との個別の交渉によって、利息・遅延損害金のカットや返済スケジュールの延長を認めてもらう手続きです。
よって、債権者が同意してくれなければ、任意整理によって債務負担を軽減することはできません。
もし債権者の同意が得られない場合には、債権者の同意が不要な自己破産や、債権者の過半数の同意によって手続きを進めることができる個人再生を選択せざるを得ないでしょう。
このあたりも、債権者の出方を見ながら、適切な手続き選択を行う必要があります。
4、銀行カードローンの債務整理は弁護士に相談を
銀行カードローンの返済が困難になり、返済負担を軽減したい場合には、弁護士に相談して債務整理の検討に着手することをおすすめします。
弁護士は、債務者が置かれている状況を踏まえて、どの債務整理手続きを選択すべきかについての適切なアドバイスを行います。
債務者が希望する形で債務負担を軽減できるかどうかは、適切な手続き選択にかかっていると言っても過言ではありません。そのため、弁護士とともに慎重に検討を行ったうえで、実際の債務整理に着手することが大切です。
また弁護士は、債務整理の手続き全般を全面的に代行します。
債権者とのやり取りや、裁判所での手続きの準備・遂行についても弁護士に任せることができるので、債務者の時間的・精神的な負担は大きく軽減されるでしょう。
5、まとめ
銀行カードローンは、便利な反面で無計画に利用すると返済額が膨らんでしまい、多重債務状態に陥ってしまうリスクが高いといえます。
もし銀行カードローンの返済が困難になってしまった場合には、弁護士に相談して任意整理その他の債務整理を行い、債務負担を軽減することをお勧めいたします。
ベリーベスト法律事務所では、債務整理を専門的に取り扱うチームが、効果的な債務整理の方法についてアドバイスを差し上げます。
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