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販売先の制限は独占禁止法で規制されている? 注意するべき取引

2024年08月19日
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販売先の制限は独占禁止法で規制されている? 注意するべき取引

独占禁止法とは、商取引における公正な競争を促し、消費者の利益を保護することを目的とした法律です。具体的には、複数の企業間で商品等の価格を決めるカルテルや談合、小売業者に販売価格に条件をつける価格拘束など、自由な競争を妨げる行為を規制しています。

では、メーカーが商品の価格をコントロールするために、安売り業者や横流しの取引を禁止して「販売先を制限する」という行為は独占禁止法違法にあたるのでしょうか。

この記事では、どのような販売先の制限が独占禁止法となるのか、規制される取引や取引トラブルの対策について、ベリーベスト法律事務所 京都オフィスの弁護士が解説します。

1、販売先の制限は独占禁止法で規制されているのか

  1. (1)販売先の制限の態様

    メーカーが販売先を制限する際、独占禁止法問題にあたる可能性があるものとして、たとえば以下のような事情がありえます。

    • ① 安売り業者への販売禁止
    • ② 帳合取引の義務付け
    • ③ 仲間取引(横流し)の禁止


    以下、それぞれの類型について詳しく解説します。

  2. (2)① 安売り業者への販売禁止

    メーカーが取引先の卸売業者に対して、安売りを行うことを理由に、出荷を停止したり販売を停止したりすることがあります。

    安売りを行うということを理由として販売制限がなされるものであり、価格が維持されることで、該当商品の自由な価格競争が妨げられるおそれがあることから、独占禁止法においても問題となりやすいです。

    安売り業者に供給しない行為は、不公正な取引方法のうち、拘束条件付取引にあたる場合と取引拒絶にあたる場合があります。

    たとえば、メーカーが卸売業者に対して、事前に安売り業者に対して、販売しないように要請しているようなときは、拘束条件付取引に該当します。

    対して、以前から直接の取引関係のある流通業者に対して、安売りを行うことを理由に出荷停止を行う場合には、不公正な取引方法のうち取引拒絶に該当します。

  3. (3)② 帳合取引の義務付け

    メーカーが特定の卸売業者に対して、ある小売業者としか取引できないようにすることをいいます。特に、小売業者の仕入先卸売業者を1つだけに限定して、卸売業者にもほかの小売業者とは取引させないようにすることを、一店一帳合制といいます。

    このような帳合取引の義務付けが行われると、本来は自由に決定すべき販売先の選択が制限され市場が支配された状態になり、メーカーの意志で小売店の価格決定や維持ができてしまう(再販売価格維持)ことから、独占禁止法においても問題となりやすいです。

  4. (4)③ 仲間取引(横流し)の禁止

    メーカーが、安売り業者に商品が流れるのを防止するために、卸売業者に特定の小売業者にのみ販売させ、小売業者には一般消費者にのみ販売させることで、他の流通業者との取引を禁止するものです。転売の禁止と呼ばれることもあります。仲間取引は、独占禁止法上問題となる行為についての手段として行われることも多く、特定の業者の排除による独占・寡占を目指したり、取引先の販売価格拘束の違反者を排除して販売価格の維持を徹底するなどの目的としている場合、より問題となる要素が強くなります。

2、一般的に規制される取引

前述のような具体的な方法以外にも、一般的に独禁法上問題となる類型を説明します。

  1. (1)再販売価格の拘束

    再販売価格の拘束とは、メーカーまたはメーカーの販売会社が、自己の商品を購入する卸売業者に対して、卸売業者による販売価格を指示しその価格で販売させる行為、および卸売業者から購入する小売業者の販売価格を指示し、その卸売業者が小売業者に指示価格で販売させるようにする行為をいいます。先ほど説明した、取引先に様々な制限を設ける手段も、広い意味で、再販売価格の拘束を目的としていることが多いです。

    流通業者の販売価格をこのように拘束する場合には、価格競争を減少・消滅させることになるため、独占禁止法上も問題となる要素が強いです。

  2. (2)販売地域による制限

    メーカーが卸売業者などに対して、その販売地域を制限することがあります。制限の態様やメーカーの市場におけるポジションによっては、制限の相手方である業者の自由な競争が阻害されるおそれがあります。

    このような販売地域の制限については、たとえば以下のような類型があります。

    • ① 一定の地域を主たる責任地域として定めて、当該地域で積極的な販売活動を行うように義務付けること(責任地域制)
    • ② 店舗などの販売拠点の設置場所を一定の地域内に限定したり、販売拠点の設置場所を指示したりすること(販売拠点制)
    • ③ 一定の地域を割り当てて、その地域外での販売を制限すること(「厳格な地域制限」)
    • ④ 一定の地域を割り当てて、その地域外の顧客による要望に応じた販売を制限すること(「地域外顧客への販売の制限」)

3、企業間の取引トラブルは弁護士へ

独禁法違反が疑われると公正取引委員会からの調査が行われることになり、企業としては公正取引委員会への対応が重要になることはいうまでもありません。

さらに、前述のような販売先の制限を行った場合には、取引先の企業が独禁法違反を主張して取引条件や損害賠償などの交渉が行われるリスクもありえます。こうした場合に、独禁法違反の可能性があるか否か、公正取引委員会や相手方への対応についてどうすべきかは、豊富な経験のある弁護士に相談することをおすすめします。

4、まとめ

販売先の制限について、独禁法に違反するかどうかは判断が難しい一方で、適正に対応しなければ、公正取引委員会や取引先の企業との紛争リスクがあります。

ベリーベスト法律事務所 京都オフィスは、独禁法に関する知見や企業法務の実績に基づき、公正な取引をサポートいたします。自社の販売方法についてお悩みがある、独占禁止法のリスクを回避したい等とお考えの場合は、まずはお気軽にご相談ください。

  • この記事は公開日時点の法律をもとに執筆しています

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