Googleマップの口コミに誹謗中傷コメントが! 対処法を京都の弁護士が解説

2019年01月31日
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Googleマップの口コミに誹謗中傷コメントが! 対処法を京都の弁護士が解説

京都は、古くからの名勝・旧跡が数多く存在しており、国内外から多くの観光客が押し寄せる屈指の観光スポットです。観光地巡りといえば多くの人が活用している口コミ情報ですが、中でも世界中のユーザーが利用しているのが「Googleマップ」の情報です。

Googleマップの口コミ情報は、観光だけでなく日頃のショッピングやグルメ、商品購入などにも利用されています。しかし、この口コミにネガティブな情報が書き込まれたとしたら……。個人店舗などにとっては大きな打撃になることは間違いありません。口コミ削除をしてもらうためには、どうしたらよいでしょうか。

ここでは、企業や店舗の重要なステータスとなるGoogleマップの口コミに誹謗中傷などのネガティブな書き込みを受けた場合の対処法を紹介します。

1、国内で平均月間利用者数3936万人を誇るGoogleマップ

平成28年にインターネット調査会社が行った調査結果では、国内で2番目に利用されているスマートフォンアプリケーションとして「Googleマップ」が挙げられました。日本国内だけで平均月間利用者数が3936万人もいるわけですから、スマートフォンを持つ方であれば、Googleマップを知らないという方はほとんどいないと考えてよいでしょう。

Googleマップとは、アメリカのGoogle社が提供している地図検索サービスのことです。世界各地の地図データが収録されており、現在地から目的地までのルート検索やナビゲーション機能がついていたり、主要都市ではビルの高さなどが3D表示されていたりするなど、非常に便利で精度が高いサービスとなっています。また、地域検索の能力も強力で、同じくGoogle社が提供しているGoogleマイビジネスと連動し、店舗の場所や情報へのアクセスを誘導することもできます。

Googleマイビジネスは、店舗などの情報をカテゴリ別に登録することで、検索者の位置情報を取得して店舗情報などを表示する広告機能を装備しています。たとえば「京都 グルメ」と検索すれば、現在地近隣のグルメスポットが表示されます。以前は高額な高性能カーナビゲーションでしか成し得なかったサービスが、現在では手の中にあるスマートフォンひとつで実現しているのですから、利用者数が激増していても不思議ではないでしょう。

2、Googleマップの口コミが与える影響

前述のとおり、Googleマップでは、Googleマイビジネスと連動して店舗情報などに誘導することができます。ここで多くのユーザーがチェックするのが、店舗の「クチコミ」です。先ほどとは別の調査会社が発表した調査結果によると、一般消費者の約半数が「口コミを閲覧したことがある」と回答しています。

さらに、口コミの閲覧目的としては以下のとおりです。

  • 価格を比較して安く商品購入やサービス提供を受けたい
  • 評判のよいサービスや店舗を探したい
  • 第三者の評価から、自分の判断が正しいのかを確かめたい


いまや口コミは「誰かのうわさ」の域を超えて「店舗や商品・サービスの評価基準のひとつ」という地位にまで高まっているのです。よい内容の口コミがあれば、店舗や企業側が大々的に宣伝広告を打ち出すよりも「実際のユーザーの声」として評価されるため、高い集客効果を見込むことができます。実際に多くの企業や個人事業者が口コミを重視しつつあります。

反対に、ネガティブな内容の口コミを書き込まれてしまうと、そのダメージは想定以上に大きなものとなる可能性があります。コメントの真偽は問わず「あの店は低品質だ」という評価を招き、客足が遠のいてしまうこともあるのです。

Googleマップでは、Googleアカウントを保有しているすべてのユーザーが口コミを書き込むことができます。そのため、店舗や企業側は、いつ、誰が、どのようなシーンで口コミを書き込むのか、気を抜くことができないという一面があります。

3、Googleマップのネガティブコメントの削除方法

Googleマップと連動している「Googleマイビジネス」に対して行われたネガティブな口コミは、基本的には削除できません。なぜなら、口コミはインターネットを利用して商品やサービスを判断するための重要な材料であるからです。悪い評価を消してよい評価だけを選択して表示することができてしまえば、それは印象操作にほかならないのです。

ただし、Googleマイビジネスが定めている「マップユーザーの投稿コンテンツに関するポリシー」に違反する場合は、所定の方法によって削除を要請することができます。

主に、次のような投稿がポリシー違反に該当すると規定されています。

  • 意図的な虚偽情報
  • 写真のコピーや盗用
  • 話題に無関係な口コミ
  • 中傷的な表現や個人攻撃
  • 不必要または不正確なコンテンツ


特にGoogleマップでは「すべてのユーザーにとって有益であること」を尊重しているため、有益ではない情報は削除の対象となります。

いくら悪い内容の口コミであったとはいえ、事実であれば真摯に受けとめるべきと解釈されます。しかし、根拠のない誹謗中傷や個人攻撃に対しては「ポリシー違反である」と訴えれば、口コミ削除をしてもらうことが可能です。

Googleマップにネガティブな口コミを書き込まれた場合に削除する方法は、次の2種です。

  1. (1)ビジネスオーナーとして削除を依頼する

    自身がGoogleマイビジネスのビジネスオーナーとして登録している場合は、まずGoogleマイビジネスにログインします。

    管理するビジネス情報の[ビジネスを管理]をクリックしたのち、メニューの[クチコミ]をクリックします。口コミ削除したい口コミを見つけ、[その他メニュー]をクリックして、[不適切なクチコミとして報告] をクリックすると、フォームが表示されるため、必要事項を入力して送信します。以上で口コミ削除依頼は完了です。

  2. (2)第三者として削除を依頼する

    Googleマップの口コミ削除依頼は、Googleマイビジネスにログインしなくても要請できます。「不適切なコンテンツを発見した第三者」としての立場で通報するものであり、ユーザーが経験を集合させてコンテンツを作り上げていくGoogleマップの特性を生かした方法です。

    手順は、ログインしていない状態でGoogleマップにアクセスし、該当する口コミの表示されるメニューから「違反コンテンツを報告」をクリックします。削除依頼フォームが表示されるため、入力して送信します。

4、必ずしも削除されるわけではない?

誹謗中傷のコメントを発見し、すぐに削除依頼フォームから削除を要請したからといっても、安心することはできません。

Google社では、受け付けた削除依頼がポリシー違反に該当するのか、意図的に悪い評価の口コミを削除しようと要請しているのではないかなどを審査します。つまり、審査の結果、不都合な書き込みであったとしてもポリシー違反に該当しないと判断されれば、書き込みが削除されないこともあるのです。

ネガティブな口コミに対して、丁寧かつ真摯な回答をすることによって、口コミを閲覧したそのほかの方に対して、よりよい印象を持ってもらうという手段も検討する必要もあるかもしれません。

5、口コミが削除されなかった場合は弁護士に相談する

Googleマップに対して、根拠がない悪い口コミが書き込まれてしまった場合、まずは自分自身で早急に削除を依頼することをおすすめします。「どうしようか」と悩んでいるうちにも、全国のユーザーがその口コミを閲覧していると考えたほうがよいでしょう。一刻を争う事態なので、すぐに削除依頼フォームから削除依頼を要請しましょう。

ただし、削除依頼を要請しても削除してもらえなかった、削除されたが甚大な被害を受けたので当事者に責任を追及したい、などの場合は弁護士に相談してください。

まず、削除されなかった場合は、弁護士に相談して名誉毀損(きそん)罪などの適用を視野に入れてもらいましょう。Google社のポリシーは、いわゆる「社内規定」です。そこで、Google社のポリシーには反しない程度だったとしても、日本の処罰法においては違反するという場合には、法的な解釈を添えて弁護士からGoogle社に削除依頼を要請してもらいます。

それでも削除されない場合は、弁護士を通じて裁判所に「仮処分」を申請してもらうことができます。仮処分とは、ある不利益な状態について、本訴訟を待たずに仮としてその状態を解消する措置です。Google社も裁判所の命令には従う義務を負うため、裁判所が仮処分を認めてくれれば口コミを削除することができます。

また、弁護士に依頼すれば、各機関への照会によって口コミを書き込んだ当事者を特定することもできえます。犯罪行為であることが断定できれば、告訴によって刑事責任を追及することも、口コミによって受けた損害について民事の賠償請求を行うことも可能になります。

6、まとめ

インターネット上の口コミは、ユーザーとしては非常に便利なものです。しかし、評価を受ける側に立ってみれば「口コミひとつで集客に影響がでる」という良しあしの両面があるともいえるでしょう。もし、ご自身の店舗などに関して、Googleマップの口コミに誹謗中傷や悪意がある口コミが書き込まれた場合は、一刻も早く削除するべきです。

あなた自身で削除依頼を行っても対応されなかったときや、確実に削除して当事者の責任を追及したいとお考えの方は、ベリーベスト法律事務所へご相談ください。Googleマップの口コミのほか、インターネット掲示板などにおける口コミ削除対応を行った実績が豊富な弁護士が、適切な対応を行います。

  • この記事は公開日時点の法律をもとに執筆しています