電話でのご相談予約はこちら

0120-733-043

平日9:30〜18:00

メールでのご相談予約はこちら お問い合わせフォーム 24時間・365日受付

メニュー メニュー

私的整理手続とは? 手続きの種類や検討するタイミングは?

2022年07月20日
  • 事業再生・倒産
  • 私的整理
私的整理手続とは? 手続きの種類や検討するタイミングは?

令和3年の京都では、200件の企業が倒産しました。

近年ではコロナ渦の影響もあり、多くの企業が資金繰りの苦しい状況に陥っています。倒産の危機にある企業であっても、「私的整理」を行うことで、裁判所の介入なく債務を整理して、企業の再建を目指す余地が残されている可能性があります。

本コラムでは、私的整理の手続の種類や、私的整理を検討すべきタイミングについて、ベリーベスト法律事務所 京都オフィスの弁護士が解説いたします。

1、私的整理手続とは

経営状況が悪化して、借入金などの返済が難しい状況になってしまった会社がとる手段として、多くの人がイメージするのは「破産」手続でしょう。
たしかに、すでに資金繰りが難しく、債権者への返済のめどが立たない場合やすでに支払いが遅れてしまっているような場合には、裁判所に申し立てをして「破産」するという方法もあります。
しかし、破産手続を行うと、会社の事業は終了し、会社も解散して法人格も消滅することになるのです。

一方で、会社の事業は継続し会社を消滅させることなく、また、裁判所も利用せずに、債権者と債務の減額や返済期間などを協議して、会社の再建を図るという手段もあります。このように債権者との協議や合意によって、会社の再建を行う方法を「私的整理手続」といいます

ここでいう「私的」とは、破産手続や民事再生手続といった裁判所が関与する「法的」手続と対比されており、裁判所が関与しない手続であることを示しています。
私的整理では、すべての債権者ではなく、再建にあたって重要である一部の債権者(多くの場合は銀行などの金融機関)と協議して、債務額の減額、返済期間の延長・再設定(リスケージュリング)などの再建計画を立てることになります。

2、私的整理と法的整理の違いについて

私的整理とは、裁判所の手続を介さずに、企業と債権者が協議をして企業の再建を目指す手続のことです。
一方で、法的整理では、裁判所を利用します。また、法的整理の手続きには、民事再生や会社更生などの種類があります。

以下では、私的整理と法的整理のそれぞれについて、メリットとデメリットを簡単にご説明します。

  1. (1)私的整理のメリット・デメリット

    <メリット>

    ● 信用不安を回避でき、事業価値の毀損が生じにくい
    法的整理では、その手続に入ったことが、取引先も含めた全債権者に知られてしまいます。
    一方で、私的整理では、通常は銀行などの金融機関とだけ協議すれば済みます
    したがって、取引先や関係者に「あの会社は破産しそうだ」というような情報が流れることを防いで、信用不安や顧客離れによって事業価値が損なわれてしまう可能性を低くすることができるのです。

    ● 迅速な再建が可能
    私的整理の規模によりもますが、一般的には裁判所の関与がなく、債権者との同意ベースで進行するため、早期の再建を果たすことが可能です。

    ● 柔軟な再建計画の作成
    私的整理では、法的整理と異なり、再建計画について法律上のルールが決まっていません。
    そのため、債権者との協議のなかで、企業の経営課題をふまえながら、柔軟に再建計画を組むことができます。


    <デメリット>

    ● 対象となる債権者の同意が必要
    私的整理では、取引先も含めた全債権者の同意を取得する必要はありませんが、金融機関など再建計画の実行にあたって重要となる債権者の同意は必要となります。
    この対象となる債権者全員の同意を得ることができない限り、再建計画を実行に移すことはできず、一人でも反対した場合、私的整理は進行しないのです

    ● 差し押さえなど強制執行の法的手段に対抗方法がない
    私的整理は、法的な強制力を伴わない協議によって進行するため、一部の債権者が強制執行などの法的手段をとった場合、対抗する方法がありません。この場合、再建計画の実行は困難になります。
  2. (2)法的整理のメリット・デメリット

    <メリット>

    ● 全債権者の同意を要せず再建計画を進めることができる
    民事再生は多数決によって決するため、同意が多数派であれば、反対する債権者がいたとしても多数決によって決します

    ● 公平性、透明性の確保
    法的整理は裁判所の関与のもとで再建計画を実施するので、公平性・透明性の観点で疑問に持たれることが少なくなります。
    また、裁判所が関与することから、不正が行われることも予防できるのです。


    <デメリット>

    ● 信用不安を招く
    法的整理では、全債権者に法的整理の手続きに入ったことが知られてしまいます。これによって、企業の信用は大きく悪化して、事業価値が損なわれてしまうおそれがあります

    ● 時間、費用
    裁判所による厳格な手続によって進められるため、一般的には私的整理による手続よりも再建に時間がかかります。さらに、時間がかかる分、費用の負担も私的整理より大きくなってしまうのです。
  3. (3)私的整理と法的整理はどちらがよい?

    私的整理・法的整理のどちらにも、それぞれにメリットとデメリットがあります。
    したがって、債務整理を行う際には、会社の置かれている状況に合わせていずれの手続が適切なのか見極めて選択しなくてはなりません。
    ただし、法的整理は、信用不安を招いて事業価値に与えるリスクが大きいという問題があります。
    したがって、まずは、「非公開で進められる私的整理によって再建することが可能であるか?」という点から検討するとよいでしょう

3、私的整理手続の種類

私的整理の手続きの種類は、以下のように分類することができます、

  1. (1)再建型・清算型

    一般的には、私的整理というと「再建型」を指します。
    しかし、私的整理であっても、企業を清算する手続きがあるのです。
    この「清算型」の類型では、裁判所を解する手続である破産手続を利用せずに債務を整理して、会社を解散したり法人格を消滅させたりすることになります。

  2. (2)自主再建型、スポンサー型

    私的整理は「自主再建型」と「スポンサー型」に分類することもできます。
    自主再建型では、私的整理を行ったとしても、経営者は変わりません。経営権はそのままに、再建計画を実行していくことになります。
    これに対して、スポンサー型では経営権を当の経営者から第三者(スポンサー)に移して、スポンサーのもとで再建計画を実行していきます。
    どちらの手続きが適切であるかは、事業内容や事業規模、金融機関の支援の有無、経営者の責任などの事情をふまえて個別に検討することになります

  3. (3)私的整理の再建手法

    私的整理で企業の再建を行う場合の具体的な手法としては、下記のようなものがあります。

    ● 返済条件の緩和(リスケージュリング)
    金融機関と交渉して、債務の総額を変更することなく、毎月の返済条件を緩和することで返済期間を繰り延べる手法です。

    ● 債権のカット
    金融機関と交渉して、債権の一部を免除してもらう手法です。

    ● デッドエクイティスワップ(DES)
    金融機関からの借入金を、企業の資本に充てる手法です。
    具体的には、企業に対して債権を現物出資して、企業は株式などを発行することになります。負債が減るという点で、債権のカットの一種といえます。

    ● デットデットスワップ(DDS)
    金融機関からの借入金を、別の借り入れ条件の債務に変更し、他の債務よりも劣後した条件にする手法です。
    他の債務に劣後するため、当面のキャッシュフローが改善されます。変換が繰り延べられることから、リスケージュリングの一種といえます。
  4. (4)準則型私的整理

    先述したとおり、私的整理は、法的整理とは異なり、債権者との協議によって自由かつ柔軟な再建計画を構築することが可能です。
    しかし、一定の基準に従った私的整理の手法も存在します。これらの基準に従った私的整理は「準則型私的整理」と呼ばれます。

    準則型私的整理は、大幅な債権カットが必要である場合や、企業の作成した再建計画に疑問を持たれている場合、経営に不正があったような場合に、「客観的なルールがあることで、債権者に受け入れてもらいやすくなる」という点で有用な手法です。
    主なものとしては、私的整理ガイドライン、事業再生ADR、中小企業再生支援協議会による支援協議会スキームなどがあげられます。
    具体的な事情をふまえながら、適切な方法を選択して、再建計画を構築することになります

4、私的整理を検討するタイミング

私的整理を検討するタイミングを判断するためには、なるべく早く専門家にご相談いただくことが最善です。
本来は私的整理による再建が可能だったにもかかわらず、タイミングが遅れたことによって、最悪の場合は、破産手続しか選択が残されていないこともあり得るからです。

例えば、営業利益が出ていないような場合、資金ショートのリスクがある場合には、速やかに弁護士に連絡してください

5、まとめ

債務整理を実行する際には、企業の財務状況、事業内容、課題などをふまえながら、「私的整理を取るべきか、法的整理を取るべきか」を判断する必要があります。
そして、私的整理を実施する際にも、自主再建型/スポンサー型のどちらの手続きか、準則型の私的整理を行うべきか、再建計画にはリスケージュリングか債権カットかその他の手法をとるべきか、さまざまなポイントについて個別の事情にあわせてさまざまな判断をする必要があるのです。

これらの判断を適切に下すためには、法律に関する専門知識が不可欠になります。
債務の負担が大きく、企業運営に問題が生じている経営者の方は、ベリーベスト法律事務所にご相談ください

  • この記事は公開日時点の法律をもとに執筆しています

お気軽にお問い合わせください ご相談の予約はこちら

京都オフィスの主なご相談エリア

京都市中京区、京都市北区、京都市上京区、京都市左京区、京都市東山区、京都市山科区、京都市下京区、京都市南区、京都市右京区、京都市西京区、京都市伏見区、福知山市、舞鶴市、綾部市、宇治市、宮津市、亀岡市、城陽市、向日市、長岡京市、八幡市、京田辺市、京丹後市、南丹市、木津川市、乙訓郡大山崎町、久世郡久御山町、綴喜郡井手町、綴喜郡宇治田原町、相楽郡笠置町、相楽郡和束町、相楽郡精華町、相楽郡南山城村船井郡京丹波町、与謝郡伊根町、与謝郡与謝野町にお住まいの方

ページ
トップへ