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「業務命令違反」で解雇されたときに確認すべきこと

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2020年06月10日
  • 不当解雇・退職勧奨
  • 業務命令違反
  • 解雇
「業務命令違反」で解雇されたときに確認すべきこと

会社で嫌がらせやパワハラを受けて理不尽な命令をされたとき、従わなかったら「業務命令違反」で解雇されてしまう可能性があります。

2019年にも、精神的な不調を抱えていた京都大学の職員がパワハラなどを理由に136日間長期欠勤したところ、懲戒解雇された事案における判決がありました。裁判所は「懲戒解雇は無効」と判断しています。

このようにたとえ企業側から解雇されても必ずしもそれが有効とは限りません。今回は不当解雇になる基準や業務命令違反で解雇されたときの対処方法、弁護士に依頼するメリットについて解説します。

1、業務命令違反による解雇は無効になる可能性がある

企業が「就業規則の合理的な規定」に基づき命令した場合、原則として労働者はそれに従う必要があります。つまり使用者側には業務命令権があり、労働者がその業務命令に従わない場合、業務命令違反となるのが一般的です。

一方で、業務命令違反による解雇は不当解雇になる可能性があります。そもそも会社側が「業務命令違反」と主張しても、実際には業務命令違反行為をしていないというケースがあり、また、たとえ業務命令違反行為があっても必ずしも解雇できるとは限らない場合もあるからです。

このように、法律上、使用者が従業員を解雇できるケースは非常に限定されています。

  1. (1)法律上、解雇できる条件とは

    労働契約法により、使用者が従業員を解雇するには以下の2つの要件を満たす必要があります。

    ●解雇の客観的合理的な理由
    解雇がやむを得ないといえるほどの客観的かつ合理的な理由が必要です。たとえば上司の指示に全く従わず無断欠勤を繰り返し、改善する余地が一切ないケースなどでは解雇が認められる可能性があります。軽微な業務命令違反のケースや多少の能力不足などのケースでは解雇が認められません。

    ●解雇の社会的相当性
    解雇するには、社会的に相当な方法で行う必要があります。まずは対象者に指導教育を行い、配置転換や異動などの他の手段によって雇用を維持できないか検討しなければなりません。それでもどうしても解雇を避けられないケースでのみ解雇が認められます。

    労働者は法律で保護されているので、会社側が「業務命令違反」で解雇通知を送ってきても上記のような条件を満たしていなければ解雇が無効となる可能性は高くなります。

  2. (2)解雇予告または解雇予告手当が必要

    労働基準法は使用者が従業員を解雇するときに「30日前の解雇予告」をしなければならないと定めており、30日に間に合わないときには不足日数分の解雇予告手当が必要としています。これらの措置をとらない解雇は違法です。

    また解雇予告の措置をとっても、前述した解雇の合理的理由や社会的相当性の要件を満たさないと解雇は無効になります。

2、会社に認められる業務命令権の範囲

会社が従業員に対して業務命令権を持っていることは事実ですから、当然従業員側の業務命令違反が著しい場合には解雇が有効になる可能性もあります。

ここでは会社に認められている業務命令権の内容やその範囲に含まれるもの、含まれないものの仕分けを確認しましょう。

  1. (1)業務命令権とは

    業務命令権とは労働契約に基づいて、使用者が労働者の業務遂行のために労働者へ指示命令する権利です。業務命令権の具体的な行使方法は使用者の裁量に委ねられますが、不合理な命令や労働者の人格権を不当に侵害する命令などは、違法と見なされる場合があります。

    裁量の逸脱や濫用になるかどうかは、経緯や動機、目的の正当性、目的達成のための手段の相当性などの事情を考慮して判断されます。

  2. (2)業務命令権に含まれるもの

    一般的に使用者の業務命令権の範囲に含まれるのは以下のような指示や命令です。

    • 残業命令
    • 教育訓練の実施
    • 配置転換
    • 転勤
    • 職種変更
    • 出向命令
    • 出張
    • 健康診断の受診

    健康診断の受診については労働力の提供とは直接関係ありませんが、かつて最高裁が「労働者は健康診断の受診命令に従う義務がある」と判断しています(最高裁昭和61年3月13日)。

    ただし上記に含まれる内容であっても、業務上の必要性や合理性がなければ適正な業務命令とはいえず、労働者が従うべき義務はありません。

  3. (3)業務命令の範囲に含まれないもの

    以下のようなものは適正な業務命令とはいえません。

    ●労働基準法などの法令に違反する指示
    たとえば36協定が締結されていないのに残業を指示された場合や、違法な長時間労働を強制された場合などには従う必要がありません。

    ●労働契約や就業規則に反する指示
    たとえば就業規則で休暇の取得制度がもうけられているのに、いざ休暇を取得しようとすると出勤を強要されるケースなどでは指示に従う必要がありません。

    ●贈賄や談合、虚為報告などの違法行為の指示
    こういった違法行為をするよう指示されても従う必要はありません。

    ●選挙活動への参加など労働者の自由の侵害
    宗教や政治思想など、労働者の個人の自由を直接侵害するような業務命令は認められません。

    ●性別や国籍、信条などを理由とする差別的な業務命令
    女性であること、外国人であること、経営者と政治思想が異なることなどを理由とした不当な差別的業務命令には従う義務がありません。

    ●合理性や必要性のない嫌がらせの業務命令
    経営者が気に入らない従業員に対し嫌がらせの業務命令を行った場合、業務遂行上の合理性や必要性がなければ従う必要はありません。

  4. (4)業務命令の範囲外となる具体的なケース

    • 「教育訓練」と称し、みせしめで就業規則の全文書き写しや読み上げを命じられた
    • トラック運転手など、みだしなみがさほど重視されない職種において、従業員が「茶髪」にしているとの理由で解雇された
    • 本来の仕事とは無関係な天井裏の掃除などを命じられた
    • 生命や身体に危険の及ぶ仕事をするよう命じられた
    • 性同一性障害の診断を受けている従業員が、生物的な性を前提とする服装を強要された(性同一性障害の男性従業員が女装して就業していたところ、男性の扮装を強要されるケースなど)

3、業務命令違反で退職を迫られたときの対応方法

会社から嫌がらせの指示や命令を受けたとき、従業員が従わないと会社側が「業務命令違反をするなら会社を辞めるように」などと言って退職を迫ってくるケースが少なくありません。このように、使用者側が従業員側に退職を促すことを「退職勧奨」といいます。

もしも嫌がらせや見せしめの業務命令違反で退職を迫られたら、以下のように対応しましょう。

  1. (1)退職する必要はないと理解する

    一般的に、経営陣や上司から退職を促されたら、労働者側としてはあせってしまうものです。「辞めざるを得ないのか」と思い詰めてしまう方も多いでしょう。

    しかし退職勧奨は単に「退職を勧めているだけ」であり、使用者側はそれを強要できません。その選択は労働者の自由なので、退職を促されても従う必要はありません。

    経営者側が一方的に労働者を解雇するには「解雇の客観的理由」と「社会的相当性」が不可欠です。条件を満たさないケースや条件を満たすかどうか不明なケースでは、労働者に自主的に退職させる方が経営者側にメリットをもたらします。そこで多くの企業は辞めさせたい従業員がいるとまず退職勧奨を行うのです。

    このように退職勧奨は経営者側の都合によって行われていることが多いのです。「辞めたくなければ辞めなくて良い」という基本をまずはしっかり頭に入れましょう。

  2. (2)書面に署名押印しない

    退職勧奨を受けたとき、会社から「退職願」や「退職合意書」などの書面に署名押印をするよう求められたら要注意です。書面に署名押印してしまったら、後に「退職するとは言っていない」と主張することが難しくなり、自主退職が有効になってしまう可能性が高くなります。

    労働者側が退職したくないなら、会社から差し出された退職願などの書面に安易に署名押印してはなりません。また最終的には退職しても良いと考える場合でも、退職金等の条件を労使合意のもとできっちり定めてから退職願を出すべきでしょう。

  3. (3)退職しないなら意思をはっきり伝えて業務を継続する

    業務命令違反の理由で退職勧奨を受けたとき、退職したくないなら、はっきり会社へその意思を伝えましょう。労働者が断ると会社としてはそれ以上の退職強要ができません。その後は従来通りに出勤して働くことができます。

  4. (4)退職するなら割増退職金を要求する

    退職勧奨とともに嫌がらせを行ってくるような会社には、見切りをつけて退職するという選択肢もあります。ただし、その場合でも相応の退職金などを要求すべきでしょう。理不尽な業務命令違反などによる嫌がらせを受けた上での退職勧奨の場合、本来は正当な解雇理由がないケースがほとんどですから、割増しした退職金などを要求するという姿勢で対応しましょう。支払ってくれなければ辞めないというのも選択肢のひとつです。

  5. (5)退職勧奨の経過を証拠に残す

    退職に応じるケースでも応じないケースでも、退職勧奨の経過を証拠に残しましょう。後に「退職を強要された」ことを立証できれば、裁判で退職を無効にしたり、慰謝料請求ができたりする可能性があります。証拠の具体例としては、以下のようなものが考えられます。

    • 会社から届いたメール
    • 会社から渡された書面やメモ
    • 会社側の人間と面談しているときの録音
    • 詳細な日記、スケジュール帳

    上記のようなものはすべて保存しておきましょう。

4、業務命令違反で不当解雇されたときに弁護士に相談するメリット

理不尽な業務命令違反で解雇や退職強要されたら、弁護士に相談しましょう。

  1. (1)解雇が有効かどうか法的なアドバイスを受けられる

    業務命令違反で解雇されても、有効とは限りません。そもそも会社の業務命令権の範囲外である可能性もありますし、業務命令としての合理性や必要性がないケースも多々あります。

    弁護士に相談すれば、業務命令の範囲や解雇の有効性について、法的なアドバイスを受けられます

  2. (2)対処方法のアドバイスを受けられる

    理不尽な業務命令を受けたり業務命令違反で解雇されたりしたとき、一人ではどのように対応して良いかわからないものです。後に備えて資料を集めるとしても、何が必要か判断しにくいでしょう。
    弁護士に相談すれば適切な対処方法についてアドバイスを受けられるので、後に不利益を受けるリスクを大きく低減できます。

  3. (3)会社との交渉や労働審判を任せられる

    会社による業務命令違反による解雇が違法な場合、会社側との交渉や労働審判、訴訟などの対応が必要になります。弁護士に相談すれば、そういった対応も任せられて安心です。

5、まとめ

自社の従業員であっても、会社側の都合によって無制限に処分して良いわけではありません。もしも勤務先の企業で不当な懲戒処分や業務命令違反を理由とする解雇をされて納得できなければ、すぐに弁護士までご相談ください。

ベリーベスト法律事務所の弁護士が有効なアドバイスをいたします。状況によっては弁護士が交渉や労働審判の申立を代理し、最大限に有利な解決を目指します。京都で理不尽な業務命令違反を理由とする解雇処分を受けてお悩みの方がおられましたら、一人で悩まず専門家の力を頼りましょう。

  • この記事は公開日時点の法律をもとに執筆しています

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