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「管理職だから残業代は出ない」と言われたときに知っておきたい残業代請求方法

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2019年02月08日
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「管理職だから残業代は出ない」と言われたときに知っておきたい残業代請求方法

平成27年7月31日、京都地裁は社員を全員取締役にして残業代を支払わなかった学習塾に対し残業代と付加金の支払いを命じました。
取締役という肩書を与えただけで残業代の支払い義務が無くなるのは明らかにおかしいと思われるでしょう。
しかし、世の中には「店長だから」「マネジャーだから」と会社から言われ、管理職であることを理由に残業代が支払われず、困っている方も少なくありません。
会社はなぜ「管理職だから残業代は出ない」と言うのでしょうか。それは本当に法的根拠があるものなのでしょうか。
今回は管理職の方が知っておきたい残業代の疑問と残業代請求の方法を京都オフィスの弁護士が解説します。

1、管理職は一般社員と同じく残業代が支払われます

一般的には管理職になることは出世であり、役割や責任が大きく変わります。組織内の立場が上がり、管理する社員が増えるほど経営者としての視点が求められていくでしょう。しかし、会社に雇用されている限りは一般社員も管理職も同じく「労働者」です。
管理職という理由で残業代の支払いを拒まれることはありません。

  1. (1)管理職と一般社員は法律で分かれていない

    残業代の根拠となる法律は労働基準法です。労働基準法第37条によると企業は労働時間を延長した場合や休日労働、深夜労働をした場合は所定の割増賃金を支払うように義務付けられています。

    次に労働基準法第9条を見るとこのように定められています。

    「第九条 この法律で「労働者」とは、職業の種類を問わず、事業又は事務所(以下「事業」という。)に使用される者で、賃金を支払われる者をいう。」


    労働者の定義についてはこれしか書かれていません。つまり労働基準法においては管理職も一般社員も同じ扱いなのです。
    残業代についてはもちろん、他の権利についても差別されることはありません。
    「管理職だから残業代は出ない」という言葉は疑った方が良いでしょう。

  2. (2)名ばかり管理職は特に注意が必要

    特に気をつけたいのが「名ばかり管理職」です。名ばかり管理職とは残業代を出さないため、各種手当で残業代をごまかすために与える実態のない役職のことで、昇進どころか一般社員より待遇が悪くなる場合があります。

    時給を計算したら部下より安くなってしまった方、管理職になっても仕事内容がほとんど変わっていない方、なぜか残業代が支払われなくなってしまった方は名ばかり管理職の可能性がありますので注意が必要です。

2、「管理監督者」は管理職とは全く違うもの!

管理職であることを理由とした残業代不払いで、必ずと言っていいほど問題になるのが「管理監督者」です。
管理監督者」は「管理職」という言葉とよく似ているため、同じ意味のものと誤解されている方がいます。しかし管理監督者は管理職とは意味が異なり、また、管理監督者はごく一部の方しか該当しません。

ここから管理監督者という言葉についての理解を深めます。

  1. (1)管理監督者は残業代が発生しない

    管理監督者は労働基準法第41条に定められた概念で、正しくは「事業の種類にかかわらず監督若しくは管理の地位にある者又は機密の事務を取り扱う者」のことです。
    管理監督者は普通の労働者と以下のような点で扱いが異なります。

    • 残業代が発生しない(法定労働時間の定めが適用されなくなるので、早く帰ることも可能)
    • 法定休日が無くなる
    • 休憩の義務が無くなる(労働時間の裁量があるため管理監督者は自由に休める)


    条文を見ても管理職全般のことを指しているように解釈できそうです。そのため「管理職=管理監督者=残業代なし」という誤解がよく起きています。

  2. (2)管理監督者は肩書ではなく実態が問われる

    もし、管理監督者が管理職全般ということになれば、昇進するだけで残業代を支払われなくなります。企業は人件費削減のために必要のない役職を次々と作り出すでしょう。
    肩書だけで法的地位を決められてしまっては労働者にとって不利益です。そこで裁判所は管理監督者についておおむね次のように判断しています。

    • 経営者と一体的立場で仕事をしていること(例えば、労働条件や労務管理についての決定権限を有すること)
    • 出退勤や勤務日について裁量があること
    • 管理監督者でない労働者との間に明確かつ相当な賃金の差があること


    言うまでもなくほとんどの管理職は経営者と一体的立場で仕事をしていないでしょうし、出退勤や労働時間が自由という管理職も少ないでしょう。賃金に対しては一目で重要なポジションというくらいの差が求められます。

    ここまでの結論は、たとえ「管理監督者」という名前の役職が与えられたとしても実態が伴っていなければ残業代が出なくなることはあり得ないということです。

  3. (3)日本マクドナルド事件

    管理監督者の是非が問われた事件のうちもっとも有名な日本マクドナルド事件をご紹介します。こちらはマクドナルドの直営店店長が未払い残業代の請求等をした裁判で、原告は管理監督者に当たらないと判断されました。

    被告であるマクドナルドは店舗内の人事に関わっていることや店舗運営を担っていること、店長会議に参加していることなどから管理監督者であると主張しましたが、社員の採用権がないことや、店舗の営業時間に拘束されること、給与がそこまで高くないことなどの理由で否定されました。

  4. (4)セントラルスポーツ事件

    京都地裁の判決として有名なのがセントラルスポーツ事件です。こちらは原告が管理監督者であると認められた判例です。原告はもともとエリアディレクターという地位についていましたが副店長への降格を理由に退職、これまでの未払い残業代を請求したものです。

    原告は経営に関わっていたものの最終決定権がないことを理由に管理監督者でないと主張したところ、京都地裁は必ずしも最終決定権を必要としないと判断しました。労働時間の裁量については開館時間に出勤を求められていないことや遅刻欠勤などで賃金が減っていないことから裁量ありと認められました。
    このように実態が伴っていれば管理監督者と認める判例もあります。ちなみにセントラルスポーツ事件で見逃せないのは管理監督者と認められた場合も深夜割増賃金だけ支払われる点です。

3、管理職が残業代を請求する方法

管理職が残業代を請求するための方法をご紹介します。ただし、あくまで基本的な方法であり、実際はケース・バイ・ケースです。具体的に行動を起こされる場合は事前に弁護士へ相談することをおすすめします。

  1. (1)管理監督者か否かを知る

    管理職の残業代請求で重要な点は「管理監督者か否か」です。

    ここまでご説明してきた通り、管理監督者であれば残業代請求ができません。
    管理監督者でなければ一般の労働者として残業代請求ができます。

    管理監督者の基準は裁判所の示すところですが、日本マクドナルド事件のように、その程度が問われます。したがって自分が管理監督者か否かを知るためには多くの判例を調べる必要があります。

  2. (2)残業の証拠を集める

    残業代の請求ができそうであれば、残業をしたという証拠を集めます。残業代は残業した時間に基づいて支払われるので証拠が少ないと残業代請求が難しくなります。

    勤怠記録があると望ましいですが、破棄・改ざんされている場合は業務日報など他に使える証拠を探します。明確な残業時間を特定できない場合も残業時間を推定できる可能性はあります。

    どのような証拠がどのくらいの価値を持つのか、これも判例が大きく関わります。

    残業時間が分かったら、残業代の計算をします。時間外割り増し手当のほか、休日手当や深夜手当も計算します。支払いの遅れた残業代には遅延損害金も上乗せされます。管理監督者であっても深夜手当の請求は可能です。

  3. (3)内容証明郵便で請求書を送る

    残業代の計算が終わったら請求書を会社へ送ります。請求書の送達について事実を否定されないためには内容証明郵便を使いましょう。内容証明郵便は文書を送ったことを証明する効果があります。追加で料金を支払えば相手方に届いたことも証明することができます。

    企業が請求に応じてくれれば残業代を支払ってもらえます。振り込みを希望するなら請求書に口座情報を明記しておきます。

  4. (4)企業と話し合う

    管理職の残業代請求は、残業代を明らかにするだけでなく管理監督者でないことも示す必要があります。請求書にその旨は書くとして企業が納得してくれない場合は話し合い(任意交渉)となります。話し合いで良い結果に導ければ和解契約をします。

    会社が任意交渉に応じない場合は、裁判所に労働審判手続きを申し立てます。労働審判手続きは裁判所で行う話し合いです。労働審判手続きは当事者の片方がいなくても進行するので相手は出席せざるを得ません。3回の審理が終わるまでに和解するか労働審判を受け入れれば終了です。

  5. (5)訴訟する

    争う金額が大きいときや会社側が労働審判を受け入れないときは訴訟を起こします。訴訟は確定判決を得られるメリットがある一方、時間やコストがかかります。あなたの負担を考えるなら訴訟になる前に解決できることが望ましいでしょう。

4、まとめ

昇進によって残業代が支払われなくなったり、名ばかり管理職にされてしまったりすることは労働者にとって著しい不利益です。イメージで勘違いしがちな「管理監督者」の意味を正しく理解して本来の権利を守りましょう。

管理監督者の定義は明確になりつつあるものの、正しく主張するためには判例に対する深い知識が必要です。管理職であることを理由に残業代が支払われずひとりでお悩みを抱えているようでしたらベリーベスト法律事務所・京都オフィスまでご相談ください。労働問題の経験豊富な弁護士がじっくりとお話をうかがい、解決に向けてサポートします。

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