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逆突事故が原因の「むちうち」被害|請求できる損害賠償の項目や過失割合について解説

2023年06月19日
  • 慰謝料・損害賠償
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逆突事故が原因の「むちうち」被害|請求できる損害賠償の項目や過失割合について解説

京都市内には多くの駐車場が存在しますが、春や秋の行楽シーズンには府外から観光客が多く訪れることから、どの駐車場も満員になってしまいがちです。

駐車場では、区画内に停まろうとバックしてきた自動車に歩行者や他の自動車がぶつかる、「逆突事故」が起こることが多々あります。
とくにご自身が車に乗っているときにバックしてきた車に追突された場合には、自覚症状がなくても「むちうち」を発症している可能性が高いため、病院で検査を受けたほうがよいでしょう。
また、駐車場内で発生した事故の過失割合は公道上などで発生した事故とは異なる計算をする必要があるため、損害賠償を請求するための示談交渉を行う際には注意が必要になります。

本コラムでは、逆突事故でむちうちになった場合の過失割合の扱いや請求できる損害賠償の項目について、ベリーベスト法律事務所京都オフィスの弁護士が解説します。

1、「逆突事故」とは?

逆突事故とは、車がバックで走行中に車や人に衝突する事故のことをいいます。公道では、バックで走行することはあまりありませんので、公道上での逆突事故はまれと言えるでしょう。しかし、駐車場内では、駐車区画に車を止めるためにバックで走行するということは頻繁に行われています。そのため、逆突事故が発生するのは駐車場内であることがほとんどです。

2、逆突事故の過失割合

まず、交通事故の責任に関する「過失割合」についての基本的な考え方と、バック事故における事故態様別の過失割合について解説します。

  1. (1)過失割合とは

    過失割合とは、交通事故が起きた場合における加害者、被害者双方の責任(不注意、過失)の度合いを割合で表したものをいいます。

    基本となる過失割合については、過去の裁判例などからある程度事故態様別に類型化されています。事故態様に応じて基本となる過失割合を適用したうえで、さらに実際の事故の個別具体的な事情(クラクション警告の有無、被害者が児童・高齢者など)に応じて修正していく、という方法が採用されています。

    被害者側の過失が重く算定されると、その割合に応じて、被害者が請求できる損害賠償の金額が減ってしまいます。したがって、被害者としては、過失割合がどのようなものになるかは非常に重要な問題なのです。

    実際に事故が起きた場合には、被害者側と加害者側とで行う示談交渉のなかで、過失割合についても協議します。もし示談交渉の中で過失割合について合意が得られない場合には、民事裁判を行い、裁判所に決めてもらうことになります。

  2. (2)事故態様別の過失割合

    先述したように、逆突事故は、主に駐車場内で起こります。
    以下では、駐車場内の事故態様別の過失割合について紹介します。

    ① バックで走行中の車と停止中の車が衝突した場合
    駐車場の駐車区画にバックで車を止めようとする車や駐車区画からバックで出てきた車が後方を十分に確認しておらず、近くに停車していた車に逆突することがあります。
    この場合には、停車中の車にはまったく過失はありません。
    したがって、基本的な過失割合は、バック走行車:停止車=100:0となります。

    ② 通路を進行する車と駐車区画から通路へと進入しようとする車が衝突した場合
    通路を進行する車と、駐車区画から通路に進入を開始した車とが、出合い頭に衝突することがあります。

    駐車区画から通路へと進入しようとする車は、通路を進行している車よりも容易に周囲の安全確認ができ、衝突を回避することができます。また、駐車区画から通路に進入しようとする車は、進入しようとする通路の安全を確認して、通路を進行している車の通行を妨げるおそれがある場合には通路への進入を控える義務を負う、と考えられています。

    そのため、通路を進行する車よりも駐車区画から進路に進入しようとする車のほうが、より重い注意義務が課されることになります。
    したがって、基本的な過失割合としては、通路進行車:駐車区画退出車=30:70となります。

    ③ 通路を進行する車と通路から駐車区画に進入しようとする車が衝突した場合
    通路を進行する車と、通路から駐車区画に進入を開始した車が衝突することがあります。
    駐車場は、「駐車すること」を目的とした施設ですので、車が駐車区画に進入するということは、駐車場の設置目的に沿った行動となります。そのため、駐車区画への進入動作は、原則として、通路の通行に対して優先されることになります。通路を進行する車は、駐車区画に進入しようとする車を発見した場合には、停止して待機するか、安全な速度と方法で進行する義務を負うと考えられているのです。

    そのため、駐車区画に進入しようとする車よりも通路を進行する車のほうが、より重い注意義務を課されることになります。
    したがって、基本的な過失割合としては、通路進行車:駐車区画進入車=80:20となります。

    ④ 駐車区画内における車と歩行者が接触した場合
    駐車区画は、駐車する場所であると同時に、駐車場を利用する人が乗車・降車をする場所でもあります。そのため、駐車区画に出入りする車には、周囲の安全を常に確認して、いつでも停止できる速度で車を運転するなどの義務が課されます。
    ただし、歩行者についても、駐車場内では車の往来を予見(予測)して、その動きに注意して行動をする義務が課されています。
    そのため、歩行者の過失割合はゼロではなく、この場合の基本的な過失割合としては、車:歩行者=90:10となります。

3、むちうちになった場合に請求できる損害賠償

「むちうち」とは、交通事故などで首に強い力が加わった後に、首や背中などに痛みやしびれなどが生じる症状をいいます。
交通事故によって「むちうち」になった場合には、以下の損害を請求することが可能です
なお、後述の後遺障害慰謝料と逸失利益については、後遺障害の等級認定を受けた場合にのみ請求が可能となります。

  1. (1)治療費

    交通事故によってむちうちになった場合には、治療のために病院や整骨院などに通うことになります。その際の治療費や施術費については、医学的見地からみて必要なものであり、かつ、金額も一般的な水準と比較して相当なものであれば、損害賠償の対象となります。

  2. (2)通院交通費

    通院交通費とは、通院のために自家用車や公共交通機関を利用した場合の費用をいいます。自家用車を利用した場合にはガソリン代が、公共交通機関を利用した場合には運賃が損害賠償の対象となります。

    通院にタクシーを利用することもありますが、常に損害賠償の対象になるわけではなく、公共交通機関がなく不便な場所であるなど、タクシーを利用する必要があり、けがの症状や程度からタクシー利用が相当といえる場合に限って、損害賠償を請求できます。

  3. (3)休業損害

    むちうちの治療のために病院等へ通院をしなければならなくなると、場合によっては仕事を休まなければならないことがあります。仕事を休んだことによって収入が減った場合には、その減少分については、休業損害として損害賠償の対象に含めることができます。

    なお、専業主婦であっても家事労働に支障が生じて損失が生じたといえます。そのため、この場合は賃金センサス(注:毎年政府が実施する「賃金構造基本統計調査」に基づき、労働者の性別や年齢、学歴別に平均収入をまとめた資料)の女性労働者の平均賃金を基準として休業損害を請求することができます。

  4. (4)入通院慰謝料

    入通院慰謝料とは、病院等への入院や通院をすることによって被った精神的苦痛に対する賠償のことをいいます。
    入通院慰謝料は、入通院期間に応じて算定することになりますが、「自賠責保険基準」、「任意保険基準」、「裁判基準」(弁護士基準ともいわれます。)の三つの基準があり、いずれを採用するかによって金額が大きく異なります。

    自賠責保険基準は、通院実日数に応じて1日あたり4300円であるに対し、裁判基準は、けがの程度や入通院期間などに応じて算定することになります。そのため、一般的には裁判基準で算定したほうが入通院慰謝料の金額は高額になります。

  5. (5)後遺障害慰謝料

    むちうちの治療を継続していたものの、これ以上治療を継続してもさらなる改善が見込めない状態になったことを、症状固定といいます。症状固定と判断された後も、依然むちうちの症状が残っている場合には、後遺障害等級認定を受けることによって、認定された等級に応じた後遺障害慰謝料を請求することができます。

    入通院慰謝料と同様に、自賠責基準で算定した後遺障害慰謝料よりも、裁判基準で算定した後遺障害慰謝料のほうが高額になります。

  6. (6)逸失利益

    交通事故によって後遺障害が生じた場合には、それによって労働能力が低下し、本来得られるはずであった収入が将来に亘って減ってしまうことがあります。このような将来の減収分を逸失利益といい、損害賠償の対象とすることができます。

    逸失利益は、後遺障害の程度に応じて、以下の計算式から算定します。

    基礎収入額×労働能力喪失率×労働能力喪失期間に対応するライプニッツ係数


    なお、むちうちの場合の労働能力喪失期間は、12級で10年程度、14級で5年程度とする例が多いです。

4、逆突事故でむちうちになったら弁護士に相談

逆突事故でむちうちになった場合には、弁護士に相談をすることをおすすめします。

  1. (1)過失割合について適切に判断できる

    逆突事故の基本的な過失割合については、既に説明したとおりですが、実際の逆突事故の事案では、基本的な過失割合の考え方だけでは解決することができない事案も多くあります。

    基本的な過失割合は、過去の裁判例の積み重ねによって類型化された一般的な割合になりますので、すべての事故がそれに当てはまるわけではありません。事故態様については、実際の事故ごとに千差万別ですので、事故の具体的な状況、態様に応じて基本的な過失割合を修正していく必要があるのです。

    加害者の保険会社から提案された過失割合に納得がいかない場合には、弁護士に相談をしてみることをおすすめします。

  2. (2)適切な賠償額を獲得できる

    交通事故の損害額の算定基準には、「自賠責基準」、「任意保険基準」、「裁判基準」の三つがあり、そのなかでも裁判基準が最も高い基準となります。
    交通事故の被害者としては、当然、裁判基準で慰謝料を請求したいと考えるところですが、被害者自身が交渉をしたとしても、自賠責基準を提示されてしまうでしょう。弁護士に依頼をすることで、裁判基準をベースに相手方保険会社と裁判基準をベースに交渉をすることができます

5、まとめ

混雑している駐車場内では、視界も悪くなりますので、突然バック走行をしてきた車と衝突することもあります。
逆突事故については、具体的な事故態様によって過失割合が大きく修正されることがありますので、適切な過失割合を認定してもらうためには、専門家である弁護士のサポートが不可欠となります。
逆突事故の過失割合や保険会社から提示された損害賠償の金額に納得ができない場合には、ベリーベスト法律事務所 京都オフィスにまで、お気軽にご相談ください

  • この記事は公開日時点の法律をもとに執筆しています

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