追突事故の被害に遭ったら弁護士に相談すべき5つの理由とは?

2020年05月20日
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追突事故の被害に遭ったら弁護士に相談すべき5つの理由とは?

京都府では平成30年には6142件の交通事故が発生、52人が亡くなり7258人が負傷しています。そのうち追突事故は1609件発生しており、2人が亡くなり2253人が負傷するという被害が報告されています。
追突事故の被害に遭った場合には、加入する保険会社の示談代行サービスが使えず、自分自身で加害者側の保険会社と交渉しなければならなくなるケースもあります。

そのような場合に、弁護士へ依頼することが示談交渉を有利に進めるカギとなります。
本コラムでは、追突事故の被害に遭った方がすみやかに弁護士に依頼すべき理由などについてベリーベスト法律事務所 京都オフィスの弁護士が解説していきます。

1、追突事故で示談代行サービスが利用できないケース

  1. (1)示談代行サービスの利用の可否を決める過失割合とは

    交通事故が発生した場合、まず「交通事故による損害賠償としていくら支払われるか」を決めるために「過失割合」を加害者側と被害者側とで交渉することになります。

    この「過失割合」が、保険会社の示談代行サービスの利用の可否にかかわってきます。示談代行サービスとは、交通事故が発生した場合に、加害者、あるいは被害者に代わって保険会社の担当者がその交渉を代行して示談を取り付けるというものです。後述しますが、この割合によってはそのサービスを利用できない場合があるので注意が必要です。

    そして「過失割合」とは、交通事故の当事者双方のどちらにどれだけ過失があったかという割合です。加害者側が支払う損害賠償の金額は、被害者側の過失の割合に応じて減額されることになります。
    たとえば「過失割合」が被害者30:加害者70の交通事故で損害賠償の請求額が1000万円であったとすると、被害者の過失分30%が減額された700万円が加害者側から支払われることになります。
    通常、このような交渉はお互いの保険会社の担当者が示談代行サービスとして進めていくので、当事者同士が直接話し合うようなわずらわしさはありません。

  2. (2)追突事故で「過失割合が0」では示談代行サービスは利用できない?

    追突事故では、相手側の不注意のみによるケースも多く、被害者側の過失割合が0になる場合も少なくありません。
    過失割合が0になれば、損害賠償額から過失分を減額されることはありません。しかし、この場合は、被害者側が加入する保険会社が示談金を負担することがなくなるため、示談交渉代行サービスを利用できないことになります。
    この場合は被害者自身で相手方の保険会社と示談交渉を行い、損害賠償額を確定させていかなければなりません。

2、相手方保険会社とはどのようなやり取りをするのか

加害者側が交通事故の発生について報告していれば、通常相手方の保険会社から被害者側に連絡が入りやり取りが始まります。

交通事故の怪我の治療がある場合には、原則として相手方の保険会社が治療費を病院に支払います。そのため治療費や治療期間などについて話し合いを進めていくことになります。
そして怪我が完治するなど損害額が確定する時期になったら、慰謝料や休業損害やその他の多くの項目について相手方の保険会社と示談交渉を行います。

なお怪我の治療を行ってもこれ以上大幅に改善しないと医師に判断される「症状固定」の時期になれば、後遺障害等級認定などの手続きなどに関してもやり取りが生じます。
このように被害者にもかかわらず治療や家事や仕事のほかに、相手方の保険会社と頻繁に連絡を取り合い、交渉を進めるというわずらわしさが日常生活にプラスされるのです。

相手方の保険会社の担当者は、日々示談を仕事として行っており自社のノウハウなども持っています。自社の支出となる損害賠償額の支払いを抑えたいので、被害者の方と利益が相反する立場にあります。
そのため相手方保険会社からいわれるままに示談交渉などを進めてしまっては、適切な賠償を受けられない可能性が高くなります。

しかし、交通事故の解決について知識や経験を持つ被害者はまれであり、相手方の保険会社との交渉を自身だけの力で有利に進めるということは現実的ではありません。
したがって、保険会社とのやり取りの負担を軽減し、示談交渉を有利に進めるには弁護士へと依頼することがおすすめです。

3、追突事故の被害に遭ったら弁護士に依頼すべき5つの理由

追突事故の被害に遭った方が弁護士に依頼すべき5つの理由があります。

  1. (1)相手方保険会社との交渉を任せられる

    前述のように、追突事故では被害者の方の過失割合が0である場合、自分で相手方保険会社と交渉しなければならないことになりえます。
    弁護士に依頼すれば、弁護士が被害者の代理人として相手方の保険会社とのやり取りや示談交渉を行います。これにより被害者側がかける時間や労力などの負担を大きく軽減することができます。

    保険会社とのやり取りの中で、「そろそろ症状固定時期なので治療費を打ち切る」などと伝えられる治療費の打ち切り問題が生じることがあります。しかし治療の継続が必要であれば、適切に治療期間の延長を求めて相手方保険会社と交渉する必要があります。そういった場合にも、弁護士は適切な治療期間を確保できるように交渉します。
    また示談交渉においては、弁護士に任せられるので、精神的な負担からも開放される効果もあります。

  2. (2)慰謝料を増額できる可能性が高くなる

    交通事故の損害賠償である示談金のひとつの項目に、被害者が被る精神的苦痛に対して支払われる「慰謝料」があります。
    交通事故でいう「慰謝料」には、「入通院慰謝料」と「後遺障害慰謝料」があります。
    「入通院慰謝料」は、追突事故によって負傷した場合には常に請求できる慰謝料で、入院や通院の期間や日数等に応じて計算されます。
    「後遺障害慰謝料」は、懸命に治療を続けたにもかかわらず後遺症が残った場合に請求できる可能性がある慰謝料です。後遺障害慰謝料は、認定された後遺障害等級に応じて計算されます。

    通常、相手方の保険会社が提示する慰謝料は、自社で作成する独自の基準である「任意保険基準」に基づいて計算されています。
    しかし慰謝料は、「任意保険基準」によって計算される慰謝料が適正であるというわけではありません。

    弁護士は、「任意保険基準」より高額の慰謝料を計算できる「裁判所基準」で交渉します。
    裁判所基準は過去の裁判例をもとに作成した基準なので、裁判になった場合でも認められる可能性が高い基準といえます。

    つまり弁護士が根拠を示して「裁判所基準」で交渉すれば、相手方の保険会社も裁判所基準に近い金額の慰謝料を認めざるを得ないことになります。結果として、慰謝料を大幅に増額できる可能性が高くなります。

  3. (3)適切な後遺障害等級認定を受けられる可能性が高くなる

    後遺障害等級認定とは、「症状固定」の時期になっても残る症状について「後遺障害」として症状に応じた等級の認定を受けることをいいます。
    後遺障害等級認定を受けた場合には、相手方の保険会社に「後遺障害慰謝料」と「逸失利益」を請求できます。この「後遺障害慰謝料」と「逸失利益」の有無によって、受け取れる示談金の金額は大きく変わります。そのため「後遺障害認定を受けられたかどうか」は、非常に大きな意味を持ちます。

    また認定された等級に応じて後遺障害慰謝料などの金額が変わるので、「適切な後遺障害等級の認定が得られたか」も重要です。
    追突事故では、追突の衝撃などでむち打ちになることも少なくありません。
    むち打ちになった場合には、頭痛や上下肢のしびれ、吐き気やめまいなどのさまざまな神経症状が現れることがあります。しかしエックス線検査や脳波の検査をしても、客観的に分かる所見が認められないことが多いもの事実です。

    後遺障害等級認定は原則として書面審査で行われるので、客観的に分かる所見が認められない場合には、申請時の提出書類を工夫するなどの戦略的な対策が必要になります。
    しかし被害者個人だけでは、どのようにすればその認定を受けられる可能性を上げることができるのかは分からないことが通常です。そのような場合でも弁護士に依頼すれば、適切な認定を受けられる可能性が高くなります。

  4. (4)示談金の増額が期待できる

    相手方の保険会社が提示する示談金には、治療費や休業損害などさまざまな項目が含まれています。弁護士は、それぞれの項目について切り分けた上で被害者の有利になるよう交渉します。
    また弁護士に依頼した場合、前述した裁判所基準での慰謝料請求や適切な後遺障害等級認定の獲得などにより示談金の大幅な増額が期待できます。

  5. (5)裁判になった場合でも安心して任せられる

    弁護士に依頼した場合には、裁判にすべきかどうかもケースに応じてアドバイスすることができます。さらに相手方保険会社との示談交渉がうまくまとまらず裁判で争うことになった場合でも、弁護士は法廷でも代理人として有利な結果になるように進めるので安心です。

4、弁護士費用はどれぐらいかかる?

弁護士に依頼したいと思っても、弁護士費用の負担を心配される方も多いものです。
しかし、自身や家族の保険に「弁護士費用特約」が付いている場合には、費用の負担を心配することなく弁護士に依頼することができます。
「弁護士費用特約」とは、弁護士費用などを最大300万円程度まで保険会社が負担してくれるサービスです。

まずは自身が加入する保険に「弁護士費用特約」が付いているかどうかを確認してみましょう。また、「弁護士費用特約」がない場合でも、ベリーベスト法律事務所では初回無料で相談を承っています。そして弁護士費用については、基本的に相手方の保険会社が支払う示談金の中からという形をとっているので、直接の支払いを心配することなく利用できます。

5、まとめ

本コラムでは、追突事故の被害に遭ったら弁護士に相談すべき5つの理由について解説していきました。ベリーベスト法律事務所 京都オフィスの弁護士は、交通事故の被害に遭われた方が納得できる解決にできるよう全力でサポートいたします。ぜひお気軽にご相談ください。

  • この記事は公開日時点の法律をもとに執筆しています