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私の遺産分割の割合はどれくらい? 兄弟姉妹の相続トラブル回避の基本知識

2021年05月06日
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私の遺産分割の割合はどれくらい? 兄弟姉妹の相続トラブル回避の基本知識

令和2年中において京都市内では9448人が出生し、1万5240人が亡くなっています。人が亡くなった場合、その財産の多寡にかかわらず「相続」が発生するケースが多いです。

「争続(そうぞく)」という言葉があるように、相続の場面になると、日頃は仲がいい親族でもトラブルに発展することが少なくありません。特にトラブルになりやすいのが兄弟姉妹です。

両親の片方が亡くなった時点では、残された親がいるため、さほど大きな紛争にはなりません。しかし、その後にその親が亡くなると、兄弟姉妹だけで親の遺産を分け合うことになった場合、トラブルが起きやすい状況になります。

本記事では、遺産相続をめぐり兄弟姉妹が仲たがいをしないように、相続の基礎知識についてベリーベスト法律事務所 京都オフィスの弁護士が詳しく解説します。

1、誰が遺産を相続する?

亡くなった人の遺産を相続する権利がある人のことを法定相続人と呼びます。

民法では、法定相続人の範囲や遺産を受け取ることができる順位が定められています。法定相続人の基準は、被相続人との親密さや生活の実態とは関係なく、戸籍上の関係によって定められています。

したがって、故人と親しく、家族同様に生活をしていた人でも、故人と戸籍上の関係がなければ相続権はありません。具体的に法定相続人となり得るのは、配偶者、直系卑属、直系専属、兄弟姉妹となります。それぞれ詳しく解説します。

  1. (1)配偶者(民法890条)

    故人の配偶者は、民法第890条において、いついかなる場合においても相続人となることが定められています。

    配偶者とは、戸籍上の妻、または夫の地位にある人のことです。事実婚や内縁関係の場合は、たとえ夫婦同然の生活をしていても、法定相続人にはなれません

    他方、どれだけ不仲で長年別居状態であったとしても、離婚せずに「戸籍上の配偶者」のままであれば、必ず相続人として遺産相続の権利があります。

    法定相続人には、相続順位という考え方がありますが、配偶者は常に相続人となるので、順位自体がありません。相続できる割合も他の相続人に比べて高いので、配偶者は相続の場面ではもっとも強い立場と考えてよいでしょう。

  2. (2)直系卑属(民法887条)

    直系卑属とは、故人の子ども、孫などを指します。配偶者の次に優先される相続人であり、第1順位の相続権を得る存在です。ただし、孫には代襲相続(民法887条2項)の資格があるだけで、固有の相続権がない点には注意が必要です。

    なお、戸籍上の直系卑属であれば、血縁関係は問いません。養子縁組によって養子となった子どもも、「実子と同様」に第一順位相続権を得ます。また、相続人である子どもがすでに死亡している場合は、その子どもである孫に相続権がわたります。これを「代襲相続」といいます。

  3. (3)直系尊属(民法889条1項1号)

    故人からみて、自分よりも前の世代のことを直系尊属といいます。父母や祖父母がそれにあたります。

    直系尊属は、子どもや孫などの直系卑属の次に相続権がある存在で、第2順位の相続になります。第1順位の相続人がいない場合には、第2順位の相続人が遺産を受け取る権利が生じます。

    つまり、直系卑属にあたる子どもや孫が誰もいない場合は、直系尊属である父母が相続人となるわけです。なお、相続の開始時点で、父母が2人ともすでに死亡している場合は、父母に代わって祖父母が相続人となります。

  4. (4)兄弟姉妹(民法889条1項2号)

    上記の第1順位、第2順位の相続人がいない場合は、第3順位にあたる故人の兄弟姉妹に相続権が与えられます。

    そして、相続開始時点で兄弟姉妹がすでに死亡している場合は、代襲相続によりその子どもである「めい」や「おい」に相続権が移ります

2、相続割合はどのように決まるのか

  1. (1)法定相続割合

    相続財産の分割割合とは、誰が遺産をどれくらい受け取ることができるのか、という割合のことを指します。

    法定相続割合は民法によって、法定相続順位に基づいて決められています。しかし、実際の遺産分割の割合は、相続人同士で話し合って自由に決めることができます。法定相続割合とは、ひとつの目安であり、必ずしもこれに従うべき義務があるわけではないのです。

    ただし、相続人間で話し合いがうまくできず、裁判所で遺産分割について決定する場合には、法定相続割合に従って判断されることになっています。民法が定める法定相続割合は、相続人の組み合わせによって以下のとおりに整理することができます。

    ● 配偶者のみの場合:配偶者がすべて
    故人に配偶者がいるが、子どもも孫もきょうだいも親も祖父母もいないという場合です。この場合は、配偶者が遺産のすべてを受け取ります。

    ● 配偶者と子どもがいる場合:配偶者が1/2、子どもが1/2(民法900条1号)
    配偶者と子どもがいる場合は、それぞれ2分の1ずつです。子どもが複数いる場合は、子どもの受け取り分を子ども同士で均等に分けます。したがって、夫が妻と子ども2名を残して死亡した場合の法定相続割合は、妻が2分の1、子どもがそれぞれ4分の1ずつとなります。

    ● 子どもはいないが、配偶者と親がいる場合:配偶者が2/3、親が1/3(民法900条2号)
    両親ともに存命している場合は、配偶者に3分の2、両親それぞれが6分の1ずつを受け取る権利があります。

    ● 子どもも親もいないが配偶者と兄弟姉妹がいる場合:配偶者が3/4、兄弟姉妹が1/4(民法900条3号)
    兄弟姉妹が複数いる場合は兄弟姉妹で均等に分けます。たとえば、故人に妻と兄と妹とがいる場合は、妻が4分の3、兄が8分の1、妹が8分の1となります。

  2. (2)遺産分割協議

    相続権がある各相続人が財産の相続分を話し合いで決める手続きを、「遺産分割協議」といいます。この話し合いにおいて、目安となるのが「法定相続分」です。

    なお、遺産の中には、不動産などの単純に分割できないものもありますし、非公開株式のなどのように、評価が難しいものもあります。相続割合の目安があるとしても、実際に分割協議を進めていくことはそう簡単ではありません。

    遺産分割協議は、必ず相続人全員の合意が必要とされています。1人でも同意しなければ協議は成立しませんので、根気強く全員が納得するまで話し合う必要があるのです。

  3. (3)遺言書がある場合

    故人が作成した遺言書がある場合は、原則としては遺言書の内容に沿って遺産を分割します。これはできるだけ故人の意思を尊重するべきだからです。

    ただし、遺言も絶対ではなく、相続人全員の合意があれば、遺言書の内容と違った遺産分割をすることも可能です。なお、遺言の内容が、法定相続人の相続権を大きく毀損(きそん)したり、または奪ってしまうようなものであった場合は注意が必要です。

    詳細は後述しますが、民法上の規定で、相続人が最低限相続できる割合とその権利が決められています。これを「遺留分(いりゅうぶん)」といいます。遺言によって遺留分を下回る程度しか遺産がもらえない相続人がいる場合は、当人から遺留分の侵害を請求される可能性があります。

3、相続割合の例

では、具体的な相続割合についてみていきましょう。以下は、父母と兄弟3人の家族で、父が亡くなり、その遺産が3000万円であるというケースです。

  1. (1)母と兄弟3人で分けた場合

    故人から見ると、配偶者と直系卑属の子どもが相続人となる場合です。この時は配偶者が2分の1、子ども3人で残りの2分の1を等分することになります。配偶者である母が1500万円を、子どもである兄弟3人がそれぞれ500万円相続することになります。

  2. (2)兄弟3人だけで分けた場合

    父が亡くなる前にすでに母が亡くなっている場合は、父の遺産を兄弟だけで分けることになります。3000万円を3人で等分し、1人あたり1000万円ずつ相続することになります。

  3. (3)兄弟のひとりが亡くなっており、その兄弟に子どもがいる場合

    兄弟のうちすでに1人が死亡しており、その兄弟に子どもがいる場合は、亡くなった兄弟が相続するはずだった財産をその子ども(自分から見たら「おい」「めい」)が相続することになります(代襲相続)。

    たとえば、父より先に長男が死亡していた場合で、長男に娘が2人いるとします。この場合、次男と三男が1000万円ずつ受け取り、長男が受け取るはずだった1000万円は、長男の娘たち(めい)が等分に受け取るわけです。つまり、めい達はそれぞれ500万円ずつの相続権があります。

4、遺言書で特定の相続人に全額の相続が指定されていたら

遺言は被相続人の最終の意思決定を尊重するものです。そうすると、被相続人が、複数の相続人がいるにもかかわらず、誰か特定の法定相続人だけに遺産を相続させるという遺言書を残した場合でも、それが被相続人の真意に基づく限り、有効となってしまいます。

しかし、このようなことを無制限で許してしまうと、共同相続人間で公平性が確保されなくなってしまいます。そこで、共同相続人間の不公平を是正し、相続人の生活を保障するという観点から設けられたのが遺留分という制度です。

  1. (1)遺留分の侵害について

    たとえば、「すべての遺産を三男に相続させる」といった内容の遺言が見つかった場合を考えてみます。遺言書は故人の遺志として、尊重されるものですから、たとえ納得がいかなくても、原則としては遺言に従って遺産分割を進めます。

    しかし、遺言であっても、「遺留分」だけは侵害することができないとされています。
    遺留分とは、相続人に対して最低限定められている財産の取り分のことです。

    民法第1042条において、直系尊属のみが相続する場合は遺産総額の1/3(民法10421項1号)、それ以外の場合は1/2(民法1042条1項2号)が遺留分とされています(相続人が複数人いる場合は、これに各相続人の法定相続分をかけて算出します)。

    もし、遺言によって、自分の遺留分が不足する状態になっていれば、遺産を受け取る相手に対して、遺留分侵害額請求を起こすことができます
    そして、遺留分侵害額請求の意思表示をすることによって、遺留分侵害額に相当する金銭の給付を目的とする金銭債権が発生します。

  2. (2)遺留分侵害額請求には時効がある

    遺留分侵害額請求においてもっとも注意すべきことは、時効です。

    遺留分がいくら侵害されていても、いつでも侵害額を請求できるわけではありません。
    自分の遺留分が侵害されていることを知った時から1年という時効があります。また、遺留分侵害を知ってから1年以内であっても、相続開始から10年を経過してしまうと請求権が消滅してしまいますので注意が必要です(1048条)。

    1年というのは思ったよりもあっという間に経過してしまいます。相続の権利は個人の重要な権利ですから、遺言が見つかった場合は、その内容について法的な意味合いをしっかり理解しなければなりません。時効が成立してしまうことのないように、早めに弁護士に相談することをおすすめします。

5、まとめ

遺産相続の問題でトラブルになると、たとえ仲がよかった兄弟姉妹でも、険悪な関係になってしまうことが少なくありません。

トラブルになった場合はもちろんですが、トラブルを防ぐために冷静な話し合いを進める上でも、ぜひ早めに弁護士への相談を検討しましょう。

相続は法律上ややこしい手続きも多いですし、法律の解釈に迷うことも少なくありません。手続きの時効が決まっているため、先延ばしにすると思わぬ損失が発生することもあります。

ベリーベスト法律事務所では、相続に関する豊富な経験を持つ弁護士が在籍し、兄弟姉妹間での相続についても詳しくご説明しています。相続問題で悩まれている方は、ぜひベリーベスト法律事務所 京都オフィスまでお気軽にご相談ください。

  • この記事は公開日時点の法律をもとに執筆しています

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