京都で起こしてしまった刑事事件で弁護してほしい! 弁護士の選び方は?
- その他
- 刑事事件
- 弁護士
- 選び方
- 京都
京都府警が発表したデータによると、平成21年度は44538件の刑法に触れる刑事事件が認知されているものの検挙件数は11743件でした。しかし、平成30年度には、認知件数は16821件、検挙された件数は5736件となっていて、検挙される率も上がっていることがわかります。京都の治安がこの10年で大きく改善されていることがわかります。
検挙される率が上がるということは、法を犯している方は逮捕される可能性が高くなるということです。万が一、あなたの家族が逮捕されてしまったときや、または逮捕されそうなとき、どうすればよいのかご存じでしょうか。
「弁護士の選び方がわからない」という状況になった際に知っておいてほしいことをベリーベスト法律事務所 京都オフィスの弁護士が解説します。弁護士の選び方や、国選弁護士と私選弁護士の違いはもちろん、弁護士に依頼を断られてしまう場合についても、ぜひ参考にしてください。
1、刑事事件で弁護士が行う弁護活動とは
刑事事件で、逮捕されてしまった被疑者に対して弁護士が行う弁護活動は、「勾留回避のための弁護活動」と、「減刑のための弁護活動」そして「示談交渉」の3つに分類されます。
-
(1)勾留回避・保釈のための弁護活動
窃盗罪や詐欺罪などの被疑者として逮捕された場合、被疑者は留置所などに身柄を拘束されます。警察で取り調べを受ける最長42時間のあいだは、弁護士以外と面談することができないため、弁護士が外界との唯一のつながりとなります。
依頼を受けた弁護士は、心理的サポートや取り調べに対するアドバイスを行います。厳しい取り調べに屈して不利な供述をする可能性が低くなるでしょう。同時に家族からの思いを伝えるなど、不安を解消するよう働きかけることもできます。
取り調べを終えた警察は、検察へ被疑者の身柄や事件そのものを送致します。送致を受けた検察官は、逮捕から最長72時間、送致から24時間のあいだに「勾留(こうりゅう)」を行う必要性を判断します。勾留とは、証拠隠滅や逃亡の恐れがあり、引き続き取り調べが必要なときに行われる処分のひとつです。検察官が裁判所に「勾留請求」をして認められると、最大20日間、拘置所などに身柄を拘束されたまま取り調べを受けることになります。
20日間も身柄を拘束されてしまうと、その後の社会復帰が難しくなる可能性は否定できません。そこで、弁護士はまず「勾留を回避」するために全力で弁護活動を行います。検察官や裁判官に、勾留をしなくても証拠隠滅や逃亡の恐れがないことを客観的証拠とともに主張するのです。
また、勾留後、「起訴されること」が決定した場合は、20日間を超えても身柄を拘束され続けることがあります。「起訴」が決定していれば「保釈」を求めることも可能なので、弁護士は保釈を求めて弁護活動を行うことになるでしょう。
勾留回避や保釈のための弁護活動は、今後の仕事や学校生活に早く戻るために欠かせないものです。逮捕後はなるべく早く弁護士に依頼することをおすすめします。 -
(2)減刑のための弁護活動と示談交渉
弁護士は依頼人のために最善を尽くします。したがって、罪を犯したことが確かであれば、できるだけ軽い刑罰で済むように働きかけます。そこで、詐欺や傷害罪などの場合は、まず被害者と示談を行い、成立させることを目指します。
示談とは当事者同士で話し合い、解決を目指すことを指します。刑事事件の示談においては、示談金を支払い、被害を与えたお金を支払って民事的な賠償責任を果たすとともに、被害者から「処罰を望まない」などの言葉をもらうことを目指します。
起こした事件によっては、示談が成立して被害者が処罰を望まなければ、不起訴となり刑事裁判が開かれることなく釈放される可能性があります。その場合、もちろん前科はつきません。起訴されたとしても、示談が完了していることで深く反省しているとして、情状酌量されるケースが多々あります。
2、当番弁護士、国選弁護人、私選弁護人の違い
刑事事件の弁護士は、選任や依頼の方法よって、私選弁護人、国選弁護人、当番弁護士と呼ばれ、分類されています。被疑者や被告人が自ら選び依頼をお願いするのが私選弁護人、条件付きで国が費用の一部や全額を負担するのが国選弁護人、1度限りの相談を担当してもらうのが当番弁護士です。
-
(1)当番弁護士制度とは
当番弁護士制度とは、全国の弁護士会と日本弁護士連合会が行っている制度です。法律の専門家である弁護士が、逮捕された後に1回のみ無料で身柄が拘束されている留置場まで面会に訪れます。そこで刑事事件手続きの相談に乗ってくれるという仕組みです。
この制度を利用すると、逮捕されてからまもない段階でこれからの流れを説明してもらい、アドバイスを受けることができます。しかし、弁護活動をしてもらえるわけではないので、その後の弁護活動を依頼する場合は自費でお願いしなければなりません。 -
(2)私選弁護人とは
私選弁護人とは、本人や家族が探してきて依頼する弁護士のことです。私選弁護人の選任はいつでも可能なので、早期から刑事事件手続きのアドバイスをもらうことができますし、早い段階で弁護活動をスタートできるという大きなメリットがあります。
私選弁護人の費用は全額自己負担になりますが、自分の味方となって初期段階から弁護活動をしてくれるのは私選弁護人だけです。 -
(3)国選弁護人とは
国選弁護人とは、国が選んだ弁護人のことをいいます。刑事訴訟法第289条では、重い罪にあたる事件の裁判では、必ず被告人には弁護人が必要であるという規定が存在します。弁護士費用の捻出が難しい場合、弁護士費用を国が負担します。
国選弁護人は、かつては「起訴された人=被告人」しか使えませんでした。しかし、法改正により勾留されている方でも使えるようになりました。デメリットとしては、制度を利用する基準が厳しいということです。国選弁護制度を利用するためには資産を申告する義務があり、おおむね50万円以上の資産があると利用することはできません。また国が弁護人を選ぶということになるので、ある意味では運任せとなってしまいます。
さらに、勾留までの72時間は国選弁護士をつけることができませんので、勾留回避に向けての弁護活動や、早期の示談交渉ができないというデメリットもあります。
お問い合わせください。
3、相談しても受任できないケースとは
弁護士はすべての案件を受けてくれるわけではありません。次のようなケースで受任を断られてしまうこともあります。
-
(1)業務の範囲ではない場合
依頼された法律の分野を、担当の弁護士があまり得意としていない、そもそも業務範囲外である場合です。 その分野が不得意である、経験が少ないといった内容の依頼のときは、依頼者にとってもメリットがないと考えられるため、受任を断る可能性があります。
-
(2)利益相反にあたる場合
すでに、弁護士が受任している最中の依頼者と利害が対立してしまうような、別の案件を受任するということを「利益相反行為(りえきそうはんこうい)」といいます。これは弁護士法第25条と弁護士職務基本規定で禁止されている行為です。
利益相反と捉えられる行為の範囲はとても広いので、弁護士は慎重に配慮して、引き受ける仕事を選ぶ必要があります。 -
(3)相談者と信頼関係を築けない場合
依頼者が弁護士とのコミュニケーションを怠る、過大な要求をする場合などは、弁護活動が難しくなるため、受任できないと判断する可能性があります。
たとえば助言を無視する、音信不通になって連絡が取れなくなってしまうような依頼者の弁護はできません。互いにメリットがないと考えられるためです。また、弁護士に対してすべてを明かそうとしない被疑者の弁護は難しくなるため、弁護士にうそをついたり隠し事をしたりする相談者からの依頼は、受任をお断りする可能性が高いでしょう。
4、弁護士・法律事務所選びのポイント
次に弁護士・法律事務所の選び方を解説します。
-
(1)全国にネットワークがある弁護士事務所を選ぶこと
刑事事件で逮捕された場合は、土地勘やネットワークが重要なカギを握ることがあります。自分の生活圏ではなく、事件現場周辺の弁護士に依頼することをおすすめします。逮捕される場所は決して地元とは限りません。全国各地にオフィスがある弁護士事務所を選択することをおすすめします。
全国にネットワークがある事務所であれば、事件現場の土地勘に詳しいだけでなく、調査や証拠集めに必要なパイプある可能性があります。より有利な状況が作れる可能性が高くなるでしょう。 -
(2)刑事事件の弁護経験が豊富である
弁護士によって、事件の得意分野・不得意分野があります。弁護士歴ではなく、過去にも刑事事件の弁護をした経験が豊富であることをポイントに選任しましょう。自分が逮捕された罪の弁護経験があるなら最適です。
-
(3)弁護士費用が明確であること
弁護士費用が明確な弁護士事務所を選ぶことも非常に重要です。なぜならば、刑事事件の場合は被害者と示談交渉を行い、示談金を支払う必要があります。弁護士費用などの必要経費があらかじめわかっていなければ資金計画を立てることができません。
弁護士費用は、一般的に「着手金+成功報酬+必要経費」で構成されています。複数の弁護士事務所を比べて見積りの価格が妥当かどうかを基準にして選ぶといいでしょう。なお、ベリーベスト法律事務所では、ホームページ上に弁護士費用を明記しています。ぜひ参考にしてください。
刑事事件の弁護士ならベリーベスト法律事務所 -
(4)対処が早い弁護士であること
刑事事件でよい判決を得るためには、手続きなどの対応の早さが大切です。特に勾留を回避するのであれば最長72時間というタイムリミットがあります。もちろん、不起訴に持ち込むための弁護活動は1日も早く始めたほうがよい結果に結びつきます。すぐに動ける弁護士に依頼することが重要となります。
-
(5)質問に対して的確な回答ができるということ
示談の見通し、勾留回避や保釈の見込みがあるかなど、初回に相談したときに不明な点や今後の流れを質問してわかりやすく答えてくれる弁護士を選ぶとよいでしょう。
依頼する側との相性のよさも重要です。いくら刑事事件に慣れている弁護士だとしても、あなたとの相性が悪ければスムーズに弁護活動が進みません。相性が合う弁護士を選ぶことをおすすめします。
5、まとめ
弁護士を選ぶ際は、「刑事事件の弁護経験が豊富」なのかを確認した上で、費用やフットワークの軽さなどを考えて選任するとよいでしょう。
刑事事件はいつどこで逮捕されるかわかりません。いざというときのパイプがしっかりしていて、全国にネットワークをもつベリーベスト法律事務所はきっとあなたのお役にたつことができるでしょう。ベリーベスト法律事務所 京都オフィスでも親身になってあなたにとって最適な対策をアドバイスいたします。
- この記事は公開日時点の法律をもとに執筆しています