児童買春で夫が逮捕された!? 日常を取り戻すべく妻が取るべき行動とは?

2019年03月26日
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児童買春で夫が逮捕された!? 日常を取り戻すべく妻が取るべき行動とは?

2018年5月には京都市立の小学校元教諭が、児童への不適切な行為によって京都府警に逮捕されています。児童の健全な育成は法によって厳格に保護されていますので、たとえ児童の同意があっても買春行為は逮捕される可能性があります。

あなたの夫が、児童買春で逮捕されたとしたら、妻としてはショックを隠せないでしょう。離婚を考える方もいるかもしれませんし、あなたの家族を守るため夫にはいち早く日常に戻ってほしいと考えるかもしれません。

この記事では、児童買春によって問われる罪、そして、家族が児童買春を行ってしまった場合どうするべきかについて解説します。


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1、児童買春で逮捕された場合、どのような罪に問われる?

まず児童買春によって逮捕された際に問われる罪について知っておきましょう。

  1. (1)児童買春行為そのものを処罰する「児童買春罪」

    児童買春を行った際にまず問われるのは、「児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律」、通称「児童ポルノ禁止法」によって制定されている児童買春罪です。

    児童ポルノ禁止法では、児童ポルノにまるわるものだけではなく、児童買春そのものも禁じています。児童ポルノ法の保護法益が「児童の健全な性」である以上、それは当然のことといえるでしょう。

  2. (2)児童ポルノを所持したことによる「児童ポルノ所持罪」

    児童ポルノ禁止法では、児童ポルノの製造だけではなく児童ポルノを所持することも禁じています。性行為を写真に撮って保存したり、わいせつな写真を送らせたりするとこの罪に問われます。

    通常のアダルトコンテンツであれば所持しているだけで逮捕されるようなことはありません。しかし、18歳以下の子どもが被写体になっている児童ポルノに関しては例外ですので注意しましょう。

  3. (3)児童ポルノにまつわる「児童ポルノ提供・製造罪」

    児童買春を行った際、児童ポルノ提供・製造罪に問われることもあります。児童ポルノ提供・製造罪とは、文字通り児童ポルノを提供したり製造したりすることを処罰する罪です。

    冒頭の事件では、加害者は被害者にわいせつ行為をはたらいた様子を動画で撮影していたことから、児童ポルノ製造罪に問われました。製造されたものが公になるか否かは問わず「製造」そのものが罪になるので気をつけましょう。

  4. (4)各自治体に設けられている「青少年健全育成条例違反」

    児童買春を行った場合、青少年健全育成条例に違反するケースもあります。青少年健全育成条例は各自治体によって定められているため、地域によって内容に差がありますが、京都府の場合は青少年健全育成条例第21条によって、青少年に対する買春行為が明確に禁止されています。

  5. (5)無理やり行為に至った場合は「強制わいせつ罪」「強制性交等罪」

    児童買春行為をした場合、強制わいせつや強制性交等罪(旧強姦罪)に問われる可能性もあるでしょう。強制わいせつとは、暴行や脅迫といった手段を用いて、相手の抵抗を著しく困難な状態におき、無理やりわいせつ行為におよぶことです。

    強制性交等罪も強制わいせつ罪と同じく相手の抵抗を封じてことにおよぶ犯罪行為ですが、両者の違いは性交に至ったか否かです。そのため、性交行為を行った場合は強制性交等罪、それ以外の場合は強制わいせつ罪が適用されるのが一般的です。

    また、13歳未満の者は性的同意年齢に達していないため、同意がある場合でも、暴行や脅迫といった手段を用いない場合でも、強制わいせつや強制性交罪に問われる可能性があります。

2、もし相手のことを18歳以上だと誤認していた場合は?

18歳未満の児童と児童買春を行った場合は上述のような罪に問われます。では相手が18歳未満だと知らなかった場合はどうなるのか、ご存じでしょうか。

基本的に、相手が18歳未満だと認識しないまま行為におよんだ場合罪は成立しませんが、そのケースにおいても児童の外見や知り合った経緯などが問題になります。

相手方の児童の容姿が一般的に見て18歳未満に見える場合、児童買春として処罰される可能性があります。また、出会った際に学生服を着用していた、インターネットで知り合った際に年齢を告げられていたなどの事実がある場合、同様に児童買春とみなされてしまうこともありえます。

相手方が18歳未満だと知らず、かつ18歳以上と判断できる十分な理由が認められない場合は不起訴になる可能性があります。しかし、本当は18歳未満だと知っていたにもかかわらずうそをついていた場合は、逆に罪が重くなるといったケースもありますので注意しましょう。

なお、京都府の青少年健全育成条例では、第31条第6項にて「当該青少年の年齢を知らないことを理由として、処罰を免れることができない。」と明記しています。たとえ相手が18歳未満だと知らなくても、誤認していたことに過失があれば、処罰を受ける可能性がある点に注意が必要です。

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3、児童買春を行ってしまった場合にすべきこと

児童買春をしてしまった場合、どうすればいいでしょうか? 児童買春は比較的重い犯罪として処罰されますが、正当な弁護活動を通じれば、ある程度の減刑につながる可能性があります。

  1. (1)逮捕される前に自首を検討する

    犯罪行為をした場合、加害者が自首することによって反省の意を示すことができます。

    まだ捜査の手がおよんでいない段階で、自分から罪を認め自首するということは、自らの行いを反省し、進んで社会的責任を果たす心がけがあるとみなされる可能性があるためです。しかし、すでに事件が認知されているときは自首にはなりません。まずは刑事事件に対応した経験が豊富な弁護士に相談することをおすすめします。

  2. (2)反省しているという確かな証拠を提出する

    加害者側が反省の証拠を提出することで、罪が軽くなる可能性があります。十分に反省していることが見て取れた場合、不要に重い処罰を加える必要性は薄いと判断されるためです。

    具体的には、被害者との示談を行うことはもちろん、贖罪寄付を行うというのもひとつの手段です。たとえば、児童ポルノを売却して不正に得た利益を社会的意義のある団体に全額寄付するなどの行動が、反省したうえの行動であると判断されます。どうしたらよいかわからないときは、自己判断をせず、まずは弁護士からアドバイスを得てみてはいかがでしょうか。

  3. (3)可能であれば、被害者と示談交渉する

    被害者と示談することにより、不起訴を獲得できるケースもあります。捜査機関は、求刑する際、被害者の処罰感情を非常に重視します。当事者同士でしっかりと示談を行い、成立したうえで被害者に処罰感情がないと判断されることによって、起訴を行わないという選択をする可能性があるのです。

    ただし、特に児童買春の場合、加害者本人や加害者家族による示談は非常に難しいでしょう。児童買春において示談交渉を行うのは、相手方の保護者になります。親として、子どもが児童売春していたことを知ったらどのような気持ちになるでしょうか。まして、お金で解決しようとする相手方への処罰感情は、激しいものになる可能性もあります。

    まずは弁護士に相談し、どのような対応をすることがベストなのかを改めて考える必要があるでしょう。刑事事件に対応した経験が豊富な弁護士であれば、状況に適したアドバイスをするとともに、素早い弁護活動を行います。

4、まとめ

18歳未満の児童は自己の判断がまだ十分に形成されていないとみなされるため、本人の同意があっても成り立たない行為が数多くあります。児童買春もそのひとつであり、たとえ相手方の同意を得ていた場合でも処罰されてしまいます。

相手方を18歳以上と信じていた場合や、18歳以上であると信じていた根拠を証明できるときは罪には問われないこともあります。しかし、何気ない会話や、服装、持ち物などから18歳未満であることを認識していたと立証されてしまう可能性もあるでしょう。また、相手方がどう見ても18歳以上には見えない場合も児童買春として処罰されてしまいます。

児童買春というのは非常にリスクの高い行為です。児童の健全な育成を保護すべき大人がそのような行為をしてしまった場合に、社会からどのような目で見られるかは、想像に難くないはずです。もし、身内が児童買春で逮捕されてしまった場合は、一刻も早く弁護士に相談してください。

被害者との示談交渉は当事者やその家族では難しいものです。しかし、刑事事件に対応し、示談交渉を行った経験が豊富なベリーベスト法律事務所・京都オフィスの弁護士があなたの夫や家族に大きな影響が残らないよう、力を尽くします。

  • この記事は公開日時点の法律をもとに執筆しています