投資詐欺で逮捕されたら、迅速な対応が必要! その理由を弁護士が解説
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架空の投資話をもちかけて現金3500万円を詐取した容疑がある男ら3人を、京都府警が逮捕したことが、平成30年2月に報道されました。投資詐欺は、身の回りに潜んでいる、実は身近な犯罪です。
あなたや、あなたのご家族の方が投資詐欺に巻き込まれたり、手を染めていたりして、逮捕されてしまったら……。どうしたらよいのか、ご存じでしょうか。
場合によっては、投資詐欺と知らずに詐欺の加担をしてしまっていたということもあるかもしれません。急に家族が投資詐欺の疑いで逮捕された場合も、まずは落ち着いて行動するようにしましょう。
この記事では、投資詐欺の概要からどのような罪に問われるのか? という基礎的な部分から、巧妙な投資詐欺の手口、家族が投資詐欺で逮捕された場合にあなたがとるべき方法などを、ベリーベスト法律事務所・京都オフィスの弁護士が解説します。
1、投資詐欺とはどういうものか
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(1)投資詐欺の概要と罰則
投資詐欺とは、株や債務・外国通貨・事業への投資など、投資にまつわることを専門とする詐欺のことです。罪名は、「詐欺罪」で罪に問われることになります。
結婚詐欺・オレオレ詐欺・架空請求詐欺など、世の中にはさまざまな種類の詐欺がありますが、人間や会社をだます詐欺はまとめて「詐欺罪」として罪に問われるのです。
そして、刑法第246条で記されているとおり、「10年以下の懲役」が科せられます。 -
(2)投資詐欺の具体例
投資詐欺にどのような手口があるか、代表的なものをご紹介いたします。
●架空事業や最新技術への投資話
実態がない事業や、技術への投資話をもちかけるという詐欺があります。配当金の支払い実績をつくってみせたり、元本保証などといったりして参加させようとします。
●未公開株を購入させる詐欺
未公開株とは、証券取引所でまだ取引されていない、未上場企業の株のことを指します。
「○○会社はもうすぐ上場する」といって未公開株を購入させるのですが、その会社自体が存在しなかったり、会社は存在しても購入させられた未公開株が偽造されたものだったりするというのが詐欺の手口です。その場合、購入した未公開株は当然、1円にもならないことが多いです。
●劇場型詐欺
複数人が裏で協力して、お金をだまし取る行為です。たとえば、証券会社を名乗る者から電話で「Aという投資話」をもちかけられます。これだけでは怪しいと思うかもしれませんが、今度は別の証券会社を名乗る者から電話で同じ話をされると、信じてしまうのです。これが劇場型詐欺の手口です。
電話を受けた側からすると、全く関係のない2社から同じ話が合ったように見え、正しい情報だと思い込んでだまされてしまうのです。
●海外の投資案件
海外の通貨や、不動産投資の詐欺も多いです。海外の案件だと、内容をよく理解できないまま契約をさせやすいですし、実際に現物を確認することも難しいので、詐欺師からするとだましやすいのです。
●株・FXの自動売買プログラム
投資の中でも比較的少額から始められる株や、FXのシステムトレードは人気で、初心者の方も参加しやすいようです。
そこにつけこみ、「初心者でもこのプログラムを買えば必ずもうかる」とうたった自動売買プログラムを購入させる、という詐欺の手口があります。その他にも、高額なプログラム利用費を請求したり、高額なセミナーに勧誘したりする手法があります。
2、投資詐欺で身内が逮捕されたら、迅速に弁護士にご相談を
投資詐欺で身内が逮捕されてしまった場合、あなたがとるべき行動があります。それは、迅速に弁護士に相談するということです。あなたの行動次第で、逮捕された方が不利な状況になることを防ぐことができます。
刑事事件はとにかく、スピードが大事です。どれだけ早く弁護士が働きかけるかによって、早期釈放、執行猶予の獲得など、結果が変わってきます。詐欺事件で起訴されれば、必ず懲役刑となります。執行猶予がついたとしても前科がついてしまうことに変わりありません。しかし、弁護士に早急に相談することで、前科をつけないために示談で解決するよう働きかけることも可能です。
弁護士は、法律を熟知している専門家です。特に刑事事件に対応した経験が豊富であれば、どのように動けば逮捕されてしまった方にとってベストなのか、あらゆる面から理解しています。相談されるのが遅いと、それだけ打つ手が少なくなってしまいます。万が一、身内が逮捕されてしまった場合、逮捕から勾留が決まるまでの72時間は少なくともあなた自身も接見が制限されてしまいます。あなたが早急に、自由に接見を行える弁護士に相談することが重要になるでしょう。
お問い合わせください。
3、投資詐欺事件で弁護士に依頼するメリット
ここで、弁護士に相談するメリットを詳しく解説いたします。
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(1)逮捕直後の接見は、弁護士のみが可能
投資詐欺の被疑者として逮捕された場合、前述のとおり逮捕から72時間以内は弁護士しか接見を認められていません。たとえ家族であっても面会は困難です。
弁護士は、警察官の立ち合い無しで接見することが可能なため、逮捕された方の精神的な支えになり、今後どのような流れになるか説明し、対策を相談することができます。 -
(2)捜査機関への対応で不利にならないようサポート
警察への対応も、ある程度弁護士が代わりに行うことができます。逮捕された方への取り調べの際は、黙秘権があることや、その他の対応の仕方についても、不利な立場にならないようアドバイスします。
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(3)迅速な示談交渉
詐欺罪ですでに起訴されてしまっている場合も、弁護士が間に入れば、効果的な示談交渉を行うことができ、裁判の際に減刑できる可能性が高まります。
何もしなければ刑務所に入ることになっていた場合でも、弁護士が入ることで、執行猶予を獲得できる確率も高くなります。 -
(4)裁判になった際は、弁護士が必須
裁判になった場合、弁護士は引き続き弁護活動を行います。実は投資の仕組みをよく理解していない捜査機関も多く、投資に対する曖昧なイメージで判断がくだされることも多いので、刑事事件の中でも投資詐欺の弁護は特に必須です。
4、まとめ
投資詐欺は詐欺罪として罪に問われること、投資詐欺の代表的な手口、身内が逮捕されてしまった場合、どのような対応をしなくてはならないかなどについてお伝えしました。
投資詐欺の加害者になってしまった場合、何度もお伝えしますが対応はスピード勝負です。あなたの迅速な行動で、家族に前科がつくことを免れたり、執行猶予を獲得することが可能になったりします。
弁護士へのご相談が遅くなればなるほど打つ手が少なくなってしまいます。裁判になった場合も、最後まで弁護活動は必須ですので、早急に相談するようにしてください。ベリーベスト法律事務所・京都オフィスでもアドバイスを行います。万が一の事態に陥ったとき、まずは相談ください。
- この記事は公開日時点の法律をもとに執筆しています